小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
メモリ8GBの「MacBook Neo」は動画編集に対応できるのか? 3つのソフトで4K編集を試す(1/2 ページ)
3月11日よりMacBookの新シリーズである「MacBook Neo」が発売された。カラーリングは4色、ストレージは256GBと512GBの2種類がある。512GBモデルにはキーボードに「Touch ID」が搭載される。
プロセッサは従来の「Mシリーズ」ではなく、従来iPhoneやiPadに採用されてきた「Aシリーズ」を搭載する、初めてのMacということになる。搭載される「A18 Pro」は、2024年に発売の「iPhone 16 Pro/Pro Max」に搭載されたが、厳密には同じものではない。iPhoneに搭載されたのはCPU6コア、GPU6コアだが、Neoに搭載されたのはCPU6コア、GPU5コアである。
スマホよりパソコンのほうがGPU数で劣るというのも変な気がするが、実際MプロセッサではCPUコア数は同じでGPUコア数が違うというモデルは多数存在する。同じ製造プロセスの中で、特定のGPUコアが不良または規格外のチップを下位モデル向けに採用することで、歩留まりを上げるという戦略である。
Aプロセッサではあまりこうした手法はとられてこなかったのは、iPhoneのほうが大量に生産されるため、Mプロセッサよりチップ単体のコストが低く、チップを段階的に分類して製品化するマネジメントコストの方が高いという事情もあるだろう。さらにiPhoneはMacほどに製品の上下幅があるわけではないので、下位チップは必ずしも必要でなかったということもある。
今回のMacBook Neoは、AプロセッサをMacBookに採用したこと自体も新しいが、Aプロセッサの選別品を使って製品化されたという点でも新しいアプローチだ。
一方で搭載のユニファイドメモリが8GB固定であることから、発売前からmacOS用としては少ないのではないかという指摘が相次いだ。テキスト処理やWebブラウジングなどの軽量な作業では十分だが、動画編集やCADなど重たい作業は無理ではないかという。しかし実際に試してみなければ、本当のことはわからない。
今回は筆者が購入したMacBook Neoを使って、実際に動画編集でどれぐらいのパフォーマンスが出るのかを試してみた。
映像編集用途としてのベンチマーク
筆者が購入したのは、SSD 512GBのモデルである。プロセッサの性能も気になるところだが、SSDの性能も気になるところだ。
いつものように「Blackmagic Disk Speed Test」を使って、SSDの性能を測定してみた。速度的には「ProRes 422 HQ」で12K DCI 24pぐらいまではどうにかクリアできるが、60pになると厳しいようだ。一方「Blackmagic RAW」であれば、12K DCI 60pまで読み書きできるようである。
過去2020年の「M1版MacBook Air」でも同様のテストをしたことがある。こちらの内蔵SSDと比較すると、リードでは60%程度、ライトでは55%程度のパフォーマンスである。搭載SSDにもコストダウンが見て取れる。
USB-C経由でSSDを外付けした場合の速度も計測してみた。接続したのはUSB 3.1 Gen 2対応のSanDisk「Extreme900 960GB」で、スペックシート上はリード・ライト共に850MB/sである。こちらはリード約388MB/s、ライト約366MB/sと、M1版MacBook Airとほぼ同等である。
なおこのSSDは過去の計測値と比較のために使用し続けているが、もっと速いSSDを繋げばもっとパフォーマンスは上がる。映像収録用に購入したリード7450MB/s、ライト6500MB/sのSSDを接続した場合は、 MacBook Neoでもリード937MB/s、ライト837MB/sというパフォーマンスが出た。
続いて「Blackmagic RAW Speed Test」を使ってプロセッサの性能を計測した。これはBlackmagic RAWでの処理能力をテストするものだが、4K/60pは処理できるようである。M4と比較すると、だいぶ能力は落ちる。2020年にM1プロセッサでも同様のテストをしたことがあるが、それと比較するとだいたい似たようなスコアだ。
映像処理能力としては、プロセッサは2020年のM1と2024年のA18 Proはだいたい同じぐらい、内蔵SSDの速度は4割減程度と考えられる。
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小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
クラウド活用にリモート編集環境と、映像にまつわるプロフェッショナルの分野にDXの波が押し寄せている。プロの現場で何が起こっているのか。最新のITトピックを小寺信良氏が解説する。
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