オフィス業務にスポットワーカーを タイミーが「Timee BPO」始動、キモは業務設計込みの“丸ごと受託”
スキマバイトサービス「タイミー」を運営するタイミーが、企業のオフィス業務を直接受託する新サービス「Timee BPO」を5月11日から提供開始した。スポットワーク市場でわずか1%にとどまっているオフィス業務の拡大を目指したもので、企業の業務ごとタイミーが受託し、スポットワーク人材を活用した業務設計からアテンドまでを一括で提供する。
「スキマバイト」としてアルバイト市場を席巻しているスポットワーカーだが、オフィス業務においては構造的な障壁により、活用が進んでいないという。タイミーによると、こうしたオフィス業務はワークフローが複雑で、外部の人材を受け入れるための環境設計やマニュアル整備が企業側の負担になっていたと分析する。また、業務を外部に委託する「BPO」や派遣では、導入に際して長期研修が必要となるケースが多く、スポットワークとの親和性があまり高くなかったとしている。
そこでTimee BPOでは、企業から業務ごと受託し、業務内容を“スポットワーク専用”にイチから再設計するという。同社BPO事業部の石田幸輔氏によると、「一般的なBPOの延長ではなく、業務分解・役割設計・品質設計までを含めてこちらで組み直すことで、立ち上がりスピードと品質の両立を狙っている」と語る。
体制としては、案件ごとにタイミーの担当者が入り、クライアント企業ごとの業務要件・運用ルール・品質基準・使用システム・注意点をタイミー側で整理。ワーカー向けの手順・教育・運用に落とし込むという。これにより、企業側で業務フローや教育体制を整えることなく、外部リソースを活用できるようになるとする。
しかし、スポットワ―カーの登用には別の課題も存在する。それがワーカーごとにスキル差があることだ。そこでタイミーでは、「1週間~1カ月の座学や長期研修」をやめ、それぞれの研修コンテンツから必要度合いに応じて内容を選定。インプットを短くしつつ、実践学習(OJT)を中心に設計することで短期間での立ち上げを可能にするという。AI技術も活用。「迷いやすい判断や手戻りが起きやすいポイントを補助することで、短期間でも品質がブレにくい状態をつくるチャレンジをしている」(石田氏)。
これだけでなく、スポットワーカーのスキル差を設計にも組み込むという。石田氏によると、「ワーカーを『未経験前提』で均質に扱うのではなく、スポットワーカーがもともと持っている経験をレバレッジする設計」「業務側を再設計したうえで、経験親和性の高いワーカーをアサインしやすくすることで、短時間のオンボーディングでも成果が出る確率を上げている」という。
加えて、スポットで終わらせずにリピートしてもらう設計にも取り組むという。リピートで稼働するワーカーが増えるほど、実質的にレギュラーワークに近いパフォーマンスを発揮できる状態になり、結果として品質の安定と改善スピードも上がる。石田氏は、「『業務再設計×立ち上げ圧縮×リピート化』をセットで回すのが、Timee BPOの教育・研修運用の特徴」と語る。
Timee BPOは先行導入として34社で運用が始まっている。ニーズは、需要を見極めるPMF探索フェーズのスタートアップから、休眠・失注リードから商談数を短期間で最大化したいという上場企業までさまざまで、導入する企業の傾向として「新規リード獲得に注力するIT SaaS・広告・マーケティング・人材事業などが多い」(石田氏)という。また、コストが従量課金型(コール課金)のため、業務量に対して柔軟にリソースを確保できるのも特徴だとしている。
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