「懐かしい」 京急・上大岡駅の“デジタルパタパタ”話題 導入理由を聞いた 細やかなアップデートも
京浜急行電鉄(京急)が上大岡駅(横浜市港南区)に採用した「デジタルパタパタ」が、Xで注目を集めている。かつて駅で親しまれためくれる表示器「パタパタ」を、液晶ディスプレイ(LCD)上で再現した発車案内表示器だ。機能だけなら必ずしも必要ではないはずだが、なぜ導入に至ったのか。経緯を京急に聞いた。
パタパタとは、印字したフラップ(開閉板)を回転させ、行き先や発車時刻を表示する「フラップ式案内表示器」の通称だ。デジタルパタパタは、そのめくれる動きをLCD上で再現したもの。京急は7月2日の始発から上大岡駅の列車発車案内表示器をリニューアルしたと、同日公式Xで発表した。Xでは、かつてのパタパタを懐かしむ声や京急の遊び心を評価する声が相次いだ。
デジタルパタパタの導入は上大岡駅が初めてではない。青物横丁駅(東京都品川区)で2025年2月27日から、コンコースの表示器で運用を始めていた。京急によると、きっかけは表示器を製作する新陽社からの「LCDであればパタパタを再現できる」という提案だった。ちょうど青物横丁駅のコンコース表示器が更新時期を迎えており、そのタイミングで導入したという。
ただし、開発は順調ではなかったようだ。当初はパタパタが思うように表示できず、描画の処理に苦労したという。その後、描画エンジンの見直しやアニメーションのロジックを最適化するなどして、納得のいく動きにたどり着いた。同社は先行導入した青物横丁駅での反響について、直接の反響は聞いていないものの「Xの投稿を確認したところ、好評ではないかと思う」と答えた。
今回の上大岡駅は、青物横丁駅と同じく表示器がちょうど更新時期を迎えていたことに加え、以前アナログのパタパタを設置していた駅だったことから選んだという。機能上は必須でない演出をあえて採用した理由については、「たくさんの情報量を表示させられる LCD を使用することから、京急らしさを表現させたかったため」と説明する。
上大岡駅の導入では、青物横丁駅での経験も生かした。フラップの動きで表示がすぐに確定しないため、青物横丁駅の導入時には「急いでいるときに見づらい」という声も上がっていた。そこで京急は最適な転換時間などを検証し、今回の仕様を決めたという。今回の発表時にも同様の懸念は一部で見られたが、見づらいという声が多ければ「時間調整等を含めて検討したい」としている。
また、発表後のXでは、フラップがめくれる際の「パタパタ音」まで聞こえたという反応が複数みられた。この件について京急に確認すると、「表示器にはパタパタ音を出力するための装置は付いていないため、パタパタ音は出力されていない」という。実際には鳴っていない音が聞こえた気がするほど、動きの再現度が高かったということかもしれない。
公式サイトによると、京急のパタパタは1986年に導入し、2022年2月を最後に全駅から姿を消していた。他の駅への展開について京急は「現時点では未定」としている。
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