Apple、EUでのアプリ配信条件を刷新 欧州委は歓迎もEpic Gamesは反発
米Appleは8月18日(現地時間)、EUでアプリを配信する開発者向けのビジネス条件を変更すると発表した。欧州委員会との協議を経たもので、EU域内の全開発者を単一の条件に統一する。インストール単位で課していた「Core Technology Fee」(CTF)を廃止し、5%の「Core Technology Commission」(CTC)に置き換える。開発者は同日から新条件に同意でき、10月1日に発効する。
Appleは今回の変更について、ビジネス条件と代替配信をめぐる同社と欧州委員会の見解の相違を解消するものだとしている。新設するCTCは、App Store外で配信するアプリでのデジタル取引に5%を課すもので、大規模な開発者のみを対象としていたCTFと異なり、代替マーケットプレイスやWeb配信を利用する開発者に一律で適用される。初回獲得手数料(Initial Acquisition Fee)とストアサービス手数料(Store Services Fee)も撤廃する。
手数料率は、App StoreでApple IAP(アプリ内課金)を使う場合が26%、アプリ内で代替決済を使う場合が20%、アプリ外のWebサイトなどに誘導して購入を完結させる場合が15%となる。App Store Small Business Program、Mini Apps Partner Program、Video Partner Programの参加者と、2年目以降の自動更新サブスクリプションは、それぞれ15%、10%、10%に軽減される。代替マーケットプレイスやWeb経由で配信するアプリは5%のCTCのみとなる。
決済手段については、EUではこれまで認められていなかったApple IAPと代替決済の併用が可能になる。ただし開発者は、選択した決済手段の組み合わせを12カ月間維持する必要がある。
子どもの保護策も導入する。キッズカテゴリーのアプリはWebサイトへの購入リンクを設置できず、18歳未満のユーザーには代替決済やWeb誘導の前に保護者の関与を求める「ペアレンタルゲート」の実装が必須になる。13歳未満のユーザーにはWebへの誘導自体を認めない。EU加盟国が13歳より高い年齢を保護者同意の基準としている場合は、その年齢に合わせて適用する。
代替マーケットプレイスの運営とWeb配信の資格要件も緩和する。詳細は開発者向けページにある。
米Bloombergなどによると、欧州委員会もAppleの発表を受けて声明を出し、「Appleのビジネス条件の変更を歓迎する」とした。同委員会の報道官は、現時点で履行強制金の適用は検討しておらず、発表された措置の実施状況を注視するとしている。欧州委員会は2025年4月、開発者がApp Store外の安価な購入手段へ顧客を誘導することを妨げているとしてAppleに5億ユーロの制裁金を科しており、Appleはこれを不服として控訴している。
一方、Appleと訴訟を続けている米Epic Gamesは反発している。同社は公式Xで、Appleが発表したのは「ジャンクフィー」であり、DMA(デジタル市場法)が求めるようにモバイルアプリのエコシステムを競争に開放するものではないと批判した。「Appleの条件は意図的にDMAに違反している」と主張。「欧州委員会がこの条件を受け入れ、現在進行中の執行手続きを取り下げれば、この法律は意味をなさなくなり、消費者と開発者は本来得られるはずの恩恵を得られなくなる」としている。
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