Googleや英政府、AIで飛行機雲を回避する大規模実証開始 航空業界の温暖化影響を減らす狙い

 米Googleは8月18日(現地時間)、英政府や英航空管制大手NATSなどと共同で、AIを使った飛行機雲(コントレイル)の回避プログラム「Operation Blue Skies」を開始すると発表した。空域全体の規模で飛行機雲の回避に取り組む政府主導の実証は世界初としている。

(画像:Google)

 飛行機雲は、ジェット排気に含まれる水蒸気がすすの粒子を核に凝結してできる雲。Googleによると、温暖化を招くタイプの飛行機雲は航空業界の気候影響全体の約3分の1を占めるという。

実証の対象となるシャンウィック洋上空域。赤い部分が飛行機雲の発生予測エリア(画像:Google)

 対象は北大西洋回廊の東半分に当たるシャンウィック洋上空域で、全世界の飛行機雲による温暖化の約5%を占める。プログラムは30カ月で、それぞれ約4カ月の実証を2回実施する。試験時間帯にこの空域を通過する航空機は年間約1万機に上り、このうち飛行機雲が発生しやすい空域を通る一部の便について、航路をわずかにずらして強い温暖化効果を持つ飛行機雲の発生を防ぐ。

 コンソーシアムには、Google UK、NATS、Contrails.org、英インペリアル・カレッジ・ロンドンとケンブリッジ大学、英気象庁Met Officeが参加する。

 資金は産業パートナーと英運輸省(DfT)がATIプログラムを通じて共同拠出する。政府の助成金は全額が大学・非営利団体・航空関連のパートナーに配分され、Google UKは無償で参加し、AI研究の知見やエンジニアリング、高性能計算基盤など140万ポンド(約3億円)相当を現物提供する。

 Googleは2023年、米American Airlines(アメリカン航空)などと共同で衛星画像とAIによる飛行機雲の予測マップを開発し、70回のテスト飛行で発生を54%減らしたと報告していた。その後もEUROCONTROLのMUAC(マーストリヒト上空管制センター)や運航計画ソフトのFlightKeysなどと連携してきたという。今回は個別の航空会社単位の実証から、航路帯全体での協調的な回避へと段階を進める形になる。

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