「うるう秒」27年に事実上廃止へ 自転とのずれ「1時間」まで容認 10月に国際会議で採決
1秒単位で世界の標準時を調整する「うるう秒」を事実上廃止する案について、10月13~15日にフランスで開催する国際度量衡総会(CGPM)で審議する。国際度量衡局(BIPM)の決議案では、採択されれば2027年5月20日から、うるう秒による調整を行わない「連続的な協定世界時(continuous UTC)」に移行する。
うるう秒は、原子時計をもとにした協定世界時(UTC)と、地球の自転をもとにした世界時(UT1)のずれを調整するため、UTCに1秒を加えたり差し引いたりする仕組み。産業技術総合研究所によると、1972年の運用開始以来27回実施し、いずれも1秒を加える調整だったという。
うるう秒を廃止する方針は、22年の第27回CGPMですでに決まっている。当時の総会では、UTCとUT1の差の上限を35年までに拡大するとしたうえで、具体的な上限値や実施時期は、今回の第28回CGPMで採決することが決まっていた。
今回の決議案では、UTCとUT1の差を最大3600秒(1時間)まで許容する。これにより、数世紀にわたってうるう秒による調整が不要になる見通しだ。
背景にあるのが、コンピュータや通信システムへの影響だ。BIPMの決議案では、産業や交通、エネルギー、通信、宇宙分野などのインフラにおいて、途中で時刻を調整しない連続したUTCが必要だと指摘。デジタル社会の普及により、うるう秒の実施がシステム障害を引き起こすリスクも高まっているとしている。
中でも懸念されているのが、UTCから1秒を差し引く「負のうるう秒」だ。これまで実施例はなく、BIPMの決議案によると、地球の自転に関する専門家らは、35年までに必要となる確率を約30%と推定しているという。BIPMは、実施すれば対応が不十分な重要インフラで障害や混乱を招く恐れがあるとしている。
同総会ではこのほか、現在の「1秒」の決め方をより高精度な方法に見直すための方針や、月面活動で共通して使う国際的な「月の時刻」の基準についても審議する。
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