Google、会話を止めずに裏でタスクを実行する音声モデル「Gemini 3.8 Live」公開 推論強化の上位版も
米Googleは9月15日(現地時間)、リアルタイム音声対話向けの新モデル「Gemini 3.8 Live」と「Gemini 3.8 Live Extended Thinking」(以下「Extended Thinking」)を発表し、同日から提供を開始した。3.8 Liveは大規模運用とコスト効率を重視し、対話の滑らかさと視覚情報の把握を組み合わせたモデルで、Extended Thinkingは複雑なタスク向けに知能と多段階の推論を強化したモデルと位置付ける。
対話用のLive系モデルとしては、3月に公開した「Gemini 3.1 Flash Live」以来の更新となる。バージョンは9月2日に公開した「Gemini 3.8 Flash」と揃った。
前モデルからの主な進化は、会話を止めずに処理を進められる点にある。3.8 Liveは映像入力をほぼリアルタイムで処理して文脈に反映し、対応する日本語を含む97言語を会話の途中で自動的に判別して切り替える。ツールの実行やAPI呼び出しは会話の裏側で進むため、依頼を受けたことを口頭で返しつつ、処理の完了を待たずに会話を続けられる。Extended Thinkingは推論と発話を同時に行い、「確認しますね」などの言葉を先に返して間を埋めるほか、複数手順の処理の進行状況を音声で説明しながら進める。
性能面では、Extended ThinkingがArtificial AnalysisのSpeech to Speech Quality Indexで82.6%を記録して総合1位になったほか、エージェント的なタスク完遂を測るτ-Voiceで68.6%、Sierraのτ-Voice-bankingで35.1%、推論能力を測るBig Bench Audioで97.7%を記録したとしている。3.8 LiveはSpeech Agent Arenaで2位だった。
想定する使い方として、3.8 Liveではカメラ映像による新入社員の入社手続き案内や音声による事業計画の作成などを挙げている。Extended Thinkingでは、手描きのスケッチからWebページの画面部品(Reactコンポーネント)を動くコードとして生成する作業や、複数ステップにわたる予約手続きの代行などを想定する。
一般ユーザー向けには、3.8 Liveを「検索Live」で、Extended Thinkingを「Gemini Live」で同日から展開していく。Google Workspaceでは、GoogleドキュメントがGoogle AI ProとUltraの加入者、GmailとKeepがGoogle AIの全プラン(Plus、Pro、Ultra)加入者向けにExtended Thinkingの提供を開始する。Gemini Liveと検索Liveでの利用に追加料金は不要だが、Workspace内での利用は有料プランへの加入が前提となる。
開発者は、「Gemini API」と「Google AI Studio」から利用できる。モデル名は「gemini-3.8-live」「gemini-3.8-live-extended-thinking」として提供する。なお、API利用における従量課金の料金体系については、公式ブログには明記されていない。
企業向けには、「Gemini Enterprise」で限定プレビューとして提供し、「Gemini Enterprise for Customer Experience」やWorkspaceの法人顧客への提供も予定する。LiveKitやPipecat、Agora、Vercel、LangChainなどのパートナー各社のプラットフォーム経由でもLive APIを利用できる。
なお、生成した音声にはすべて、人間には知覚できない電子透かし「SynthID」を埋め込み、AI生成コンテンツを検出できるようにしているという。
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