SpaceX、純利益44億ドルで黒字転換 売上高161%増、AIから改称の「SI」事業が830%増

 米SpaceXは10月20日(現地時間)、2026年第3四半期(7~9月期)決算を発表した。売上高は前年同期比161%増の145億7500万ドル。純利益は44億400万ドル(1株当たり35セント)で、前年同期の10億5400万ドルの赤字から黒字に転換した。営業損益も27億9100万ドルの黒字(前年同期は2億7300万ドルの赤字)となった。純利益が営業利益を上回ったのは、営業外で受取利息8億7300万ドルとその他収益10億2500万ドルを計上し、支払利息6億7500万ドルを差し引いても差額が大きかったことに加え、税金費用が3億9000万ドルのマイナス(税負担の戻り)となったことが要因だ。調整後EBITDAは306%増の88億900万ドルだった。

決算概要(画像:SpaceX)

 同社は今四半期から、AIセグメントの名称を「Super Intelligence(SI)」に変更した。SIセグメントの売上高は830%増の75億6000万ドルで、前四半期の25億6100万ドルから約3倍に増え、全社売上高の半分を超えた。新たなクラウドサービス契約の稼働、Cursorの買収、法人・個人でのGrokの利用拡大が増収につながったとしている。

 Cursorの買収は8月14日に完了した。想定株式価値は600億ドル。会計上の取得対価は425億ドルで、これとは別に、買収後の勤務を条件とする株式報酬として234億ドル分を付与した。買収完了から9月30日までに、Cursorは6億800万ドルの売上を計上した。8月には、常時稼働型のAIエージェント「Grok Bot」も投入している。

 設備投資は前年同期の2.8倍となる195億9300万ドルで、うち164億4400万ドルをSIセグメントに充てた。9月末時点の現金および現金同等物は512億9400万ドル。これとは別に市場性有価証券を385億6100万ドル保有している。

 衛星通信「Starlink」を中心とするConnectivityセグメントは、売上高が69%増の52億4800万ドル、営業利益が99%増の23億6700万ドルだった。個人向け加入者数は前四半期から160万増えて1360万となった。加入者当たり月間平均収入(ARPU)は69ドルで、前四半期の66ドルから上昇したが、前年同期の83ドルを下回った。法人・政府向け売上高は91%増の21億2700万ドルで、Starlinkを搭載した航空機は3800機を超えた。四半期末後の10月8日には、携帯電話向けの「Starlink Mobile」に向けて、800MHz帯の周波数免許(最大14MHz幅のペアバンド)を取得する契約を結んだ。2027年上半期の完了を見込む。

 宇宙輸送のSpaceセグメントは、売上高が6%増の17億6700万ドル、営業損失が700万ドルだった(前四半期は5億4200万ドルの損失)。顧客向け打ち上げは12回で、NASAの「Nancy Grace Roman宇宙望遠鏡」の打ち上げも含まれる。9月には大型ロケット「Starship」の14回目の飛行で初めて地球周回軌道に到達し、Starlink V3衛星26基を投入した。同社はこれを、Starshipとして初めて収益を生むミッションと位置付けている。このほか、年間数千回のStarship打ち上げを想定した新たな発射拠点を米ルイジアナ州に建設する計画を発表した。初打ち上げは2029年の予定という。

 同社がXでライブ配信した決算説明会でイーロン・マスクCEOは計算資源について、2026年末に約2.5~3GW、2027年末には少なくとも13GWに達するとの見通しを示した。2027年末時点の年間経常収益(ARR)は1000億ドルから1兆ドルの間になるとも語った。

決算説明会でのイーロン・マスク氏(画像:SpaceXの動画より)

 ブレット・ジョンセンCFOは、12月の売上高を年換算したARRを2026年末に1000億ドルとする目標について、順調に進んでいると説明した。2026年第4四半期の設備投資は350億~400億ドルを見込むと語った。

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