SpaceX、IPO後初の決算で売上高92%増 AI設備投資158億ドルで「2030年には年商1兆ドルに」とマスクCEO

 米SpaceXは8月4日(現地時間)、6月の新規株式公開(IPO)後初となる2026年第2四半期(4~6月期)決算を発表した。売上高は前年同期比92%増の78億1400万ドル。純損失は5億4100万ドル(1株当たり9セント)で、前年同期の10億800万ドルから4億6700万ドル改善した。

(画像:SpaceX)

 一方、設備投資は183億6900万ドルと前年同期の6.5倍に膨らみ、うち158億2800万ドルをAI分野に充てた。米CNBCによると、これはアナリスト予想平均132億2000万ドルを上回る水準という。

 成長率が最も高かったのはAIセグメントで、売上高は247%増の25億6100万ドル。同社は2月にイーロン・マスクCEOのAI企業xAIと合併しており、AI事業を傘下に持つ。増収は新たに結んだクラウドサービス契約が主因で、契約額は合計141億ドル。うち16億ドルが当四半期のAIインフラ売上の増加分となった。計算資源は前四半期の1.0GWから1.4GWに拡大し、営業損失は前四半期比49%縮小した。

 AIコーディングツールのCursorを600億ドルで買収する契約も結んでおり、第3四半期中の完了を見込む。四半期末後の7月には、Cursorと共同で訓練し1.5兆パラメータの基盤モデル「V9」を組み込んだ「Grok 4.5」を公開した。

 衛星通信「Starlink」を中心とする通信セグメントの売上高は66%増の42億9100万ドル。加入者数は前年同期の2倍となる1200万に達したが、加入者当たり月間平均収入は66ドルと前年同期の85ドルから低下した。法人・政府向けは108%増と伸びが大きく、米American Airlinesとの大型契約に加え、携帯電話向け「Starlink Mobile」でソフトバンクやNTTドコモなどとの提携を新たに開始した。政府向けの「Starshield」では、主に米宇宙軍との2件の契約により、米政府との複数年契約を60億ドル超獲得している。

通信セグメント概要(画像:SpaceX)

 宇宙輸送セグメントの売上高は29%増の9億6200万ドル。Starshipの研究開発を加速したことで営業損失は5億4200万ドルに拡大した。次世代機「Starship V3」は5月に初の弾道飛行「Flight 12」に成功。四半期末後の7月の「Flight 13」では、量産版V3衛星20基の展開、宇宙空間でのRaptorエンジン再着火、過去最も緩やかな着水を達成し、無傷の耐熱シールドを確認できたとしている。

 プレスリリースにマスク氏のコメントはなかったが、同日のWebcastには本人が登壇した。ブレット・ジョンセンCFOが年末までに年換算売上が1000億ドルに到達する軌道にあると説明したのに対し、マスク氏は「何もしなくても達成する水準」だとして上振れを示唆。売上高1兆ドル到達の社内予測を2031年から2030年に前倒ししたことも明らかにした。Starlinkについては、10年以内に世界のインターネットの過半を配信する可能性に言及した。

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