ソフトバンク「5年ぶり営業黒字化の見通し」
ソフトバンクの孫正義社長は8月10日、「2006年3月期の通期連結業績は営業黒字化する見通しだ」と話した。同日発表した同期第1四半期(4~6月)の連結決算は、営業損益が31億9000万円の赤字(前年同期は38億1900万円の黒字)。単月ベースでは6月に5億円の営業黒字を計上しており、通期では「数百億円単位の黒字になる」と自信を見せた。
第1四半期連結決算の売上高は2586億3700万円(前年同期比75.6%増)、経常損益は130億1700万円の赤字(同116億6900万円の赤字)、純利益は111億5300万円の赤字(同178億7600万円の赤字)。
ADSL事業は前四半期に営業黒字化しており、同四半期も売上高563億円に対し営業利益36億円を計上した。
7月末時点のADSL接続回線数は493.2万。今年9月までに650万回線を目標に掲げていたが(関連記事)、「650万へのこだわりをなくし、利益を着実に上げることを優先した」(孫社長)。負担が重かった顧客獲得コストは前年同期の300億円から186億円に削減。孫社長は「ADSLは回収期。損益分岐点を超えれば、インフラ事業は利益が急激に伸びる」と話し、効率と利益を重視していく姿勢を鮮明にした。
効率重視はADSLだけではない。FTTH「Yahoo!BB 光」の開通数は7月末で2万6000回線にとどまるが、「1回線ごとの利益がなかなか出せない。コストダウンや制度見直しが進めば利益も見えてくる。その時まで無茶はしない」と当面は積極的な展開は控える方針だ。
総務省が打ち出したデジタル放送のIP再送信についても「光ファイバーに限った話ではないと認識している。デジタル放送が届かない地方は光ファイバーも少なく、矛盾した解決策だ」と指摘し、映像品質が確保できるならADSLも選択肢に入れるべきとの考えだ。
日本テレコムの直収型固定電話サービス「おとくライン」も営業方針を転換する。顧客拡大に経営資源を注ぎ込み、回線数は6月末で54万回線に伸びたが、目標は下回っている。顧客獲得をめぐり、販売代理店が申込書を偽造したケースでは総務省から行政指導を受けた。損益面でも「個人向けは獲得コストがかさみ、あまり利益が見込めない」(孫社長)ため、「無茶はしない」方針に切り替える。
第2四半期、70億円の特別損失を計上し、代理店中心だった営業体制を見直す。インボイスと設立する合弁会社に中堅・中小企業向け営業を任せ、日本テレコムは最も利益が見込める大企業向け直販に集中する方針だ。
「ソフトバンクは5年ぶりにトンネルを抜け出しそうだ」──孫社長は通期の営業黒字化に自信を示す。「インフラの先行投資で赤字を計上してきたため、株価は過小評価されてきた。大幅な営業黒字化で、最も進んだビジネスモデルとして適正に評価される時がもうじきやってくる、と自信を深めている」
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