Vistaにアップグレード「したくない」理由(2/2 ページ)
このように後方互換性の拡大を期待する向きは、市場のあらゆるセグメントで増えているかもしれないとデブリー大学のコンピュータ情報システムおよびゲームシミュレーションプログラミングプログラム議長ロドルフォ・マルチネス氏は注意を促す。
同氏は、OSベンダーは、顧客がある機能と同等のものかもっと優れたバージョンをインストールするまでは、機能やサービスの人気(あるいは人気のなさ)にかかわらず、その機能のサポートを捨てるべきではないと提言している。
「UNIXがこの問題に関して成し遂げてきたことを考えると、古いバージョンのOS機能を捨てるベンダー――Appleも含めて――は、自社の製品の評判をひどく傷つけることになるだろう。1980年代に設計されたUNIXスクリプトは今も付加価値の付いた形で顧客に提供されている」(同氏)
同氏は、コンピュータは次第に、企業においてさまざまな機能をサポートする以上のことをこなすようになっていると指摘する。むしろ、今やコンピュータは多くの企業と業界にとって主な付加価値となり、生のデータを完成された製品に変えているという。
「その結果、コンピュータに依存して製品を生産している顧客は、新版OSがそうした付加価値の付いた機能に欠かせない機能をなくしてしまったら、そのOSを否定的に受け止めるだろう」(同氏)
さらにわたしはマルチネス氏に尋ねた。メインフレーム顧客と、Vistaのような汎用コンピューティングプラットフォームを使っている顧客の間では、互換性への期待に大きな違いはあるのか、と。
同氏は、これまでは後方互換性は「顧客への待遇の一部」ではなかったか、あるいは少なくともベンダーや開発者はこれを目標にしていなかったと答えた。だがユーザーにとっても開発者にとっても時代は変わったと同氏は言う。
「しかし、この2~3年で見られる顧客のアップグレード拒否は、彼らの心の中で後方互換性が顧客への待遇の一部になっているという兆候かもしれない。ベンダーは注意を払ったほうがいいだろう」と同氏は結論づけている。
Vistaへのアップグレードへの抵抗の声は、Windowsユーザーの変化への形のない恐怖によるものではない。自分のデータやワークフロー、生産性、ビジネスに及ぶ可能性のある損害を計算した結果なのだ――たとえその「ビジネス」が小さくとも、たとえユーザーがコンシューマーでもだ。
こうした抵抗感に加えて、Vistaの実際のアップグレードコスト、必要なハードのアップデートコスト、それに費やされる(失われる)時間もある。
最後に、マルチネス氏が指摘しているように、アップデート体験の(すべてではないとしても)少なくとも一部を不要な試練と考えるユーザーは増えている。
プラットフォームの進化の印と考えられていたソフトのアップデートは、今や重荷であり「悪いこと」になっている。
先日、わたしは「Quicken 2007 for Mac」にアップグレードした。このソフトは古いバージョンと互換性のない新しいファイルフォーマットを使っている。新しい利用許諾契約に「同意する」ボタンをクリックしたものの、胃が引きつったことは認めよう。結局はうまくいくと分かっていても(そうなるといいのだが)、無意識の奥深くでは不満だったのだ。
PC業界を前進させ続け、なおかつもっと幅広い後方互換性を提供することはできるのだろうか? メインフレーム市場の一部経験者は「イエス」と言う。わたしたちは現時点での答え――「ノー」――について考えているところだ。
皆さんの意見はどうだろうか? ソフトのアップデートは大きすぎる重荷だろうか? 後方互換性は「顧客のベンダーに対する懸念リスト」のもっと上の方に置くべきだろうか? 聞かせてほしい。
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