1端末で2回線――“MNP敗者”反撃の「ドコモ2.0」
「ドコモは反撃します。他社はぜひ、ご覚悟ください」――NTTドコモの夏野剛・マルチメディアサービス部長は、4月23日に開いた904iシリーズ5機種の発表会でこう宣言した。全機種で、1端末で2つの電話番号・メールアドレスが利用できる新機能「2in1」(ツーインワン)と、定額制音楽配信「うた・ホーダイ」に対応するなど、他社にない新機能を盛りこんだ。「これまで“守り”に見えていた部分があったかもしれないが、積極的に攻め、勝ちに行く」
新機種は「D904i」(三菱電機製)、「F904i」(富士通製)、「N904i」(NEC製)、「P904i」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)、「SH904i」(シャープ製)の5機種(関連記事参照)。Dは端末の傾きを感知する「モーションコントロールセンサー」を搭載。F904iはワンセグに、N904iはHSDPAに対応した。
「他社の白いプランにぶつけてみた」2in1
2in1は、1台で2回線分の契約ができるプランだ。電話番号、メールアドレスをそれぞれ2つ持つことができ、電話帳などのデータも電話番号ごとに切り替えて利用できる。
仕事用とプライベート用で回線を使い分けたいビジネスパーソンや、宅急便のあて名など第三者に見られる可能性がある書類には、普段使っている番号とは違う“公開してもいい番号”を入れたい、という女性ユーザーなどの2台目需要に対応する。
「他社の白いプランにぶつけてみた」と夏野氏が語る通り、価格はソフトバンクの「ホワイトプラン」(月額980円・税込み)を意識し、ホワイトプランよりも35円安い月額945円(税込み)に設定した。1端末で2回線分の契約となるため、契約数の上積みにも貢献する。
「ネットワークと端末をシンクロさせる必要があるこの機能は他社はなかなかまねできないと思う。少なくとも1~2カ月では無理だろう。結構、自信あります」
うた・ホーダイは、定額料金で聞き放題の携帯向け音楽配信サービスだ。ナップスターが運営する「Napster」(月額1980円・税込み)のほか、「うたUSENフル」(USEN)など8サイトでの対応がすでに決まっている。
モーションセンサー対応端末(D、P、SH)は、携帯を傾けたり振ったりしてプレイできる「直感ゲーム」に対応。全機種でWMAの再生に対応し、10Mバイトまでのiモーションがダウンロードできるようになるなど音楽・動画機能も強化した。「楽天オークション」に簡単に出品できるアプリや、モバイルバンキングが手軽に行えるアプリなども新たに搭載し、ネット機能の利便性も高めた。
「ドコモ2.0へ」
昨年10月に始まった番号ポータビリティ(MNP:Mobile Number Portability)商戦は、auの一人勝ちとされてきた。今年1月にホワイトプランを投入したソフトバンクも盛り返してきていたが、ドコモは苦戦を強いられいる。
「MNPでは当初の予測ほど大きくユーザーが動かず、“勝った”と言われている会社もそれほど大きく勝っているわけではないが、みなさんの当社への評価は実数以上に厳しい。(904iシリーズでは)みなさんに『負けている』と言われないようにしたい」
この時期に発表する夏モデルは従来、前年冬モデルのマイナーチェンジという位置づけで、冬モデルのシリーズ名に「iS」を付けて発表していた。これに従うと今回は「903iS」となったはずだが、敢えて「904i」とメジャーアップデートにし“変わった”感を強調。シリーズのキャッチフレーズは「ドコモ2.0」で、流行のWeb2.0のニュアンスを取り入れつつ、“これまでとは違う”という姿勢を明確に打ち出した。
「今回は社長もやる気になっている。“反撃”という言葉は、ドコモ経営陣全体が勝ちに行くという宣言ととらえて欲しい。世界中の人がまねをできない、新しい波を起こす」――夏野氏はこう語り、904iでの“攻勢”を改めて強調した。
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