「ピタゴラ装置」を作りたい――誰もがそんな夢を描いたことがあるはずだ。複雑な仕組みによって全自動で動くからくり装置を見ると、一度は自分でも作ってみたくなる。
ピタゴラ装置とは、ビー玉や定規といった身近なものの組み合わせで、電池いらずでおもしろい動きをするからくり装置だ。もともとNHK Eテレの子ども番組の1コーナーだが、大人でもファンが多く、YouTubeで検索すれば自作装置の動画がたくさんヒットする。これをぜひ自分の手でも作ってみたい。
とはいえ、そんな複雑なからくりは作ったことがないし、ちゃんと動くものを作れる自信もない。だったら多少は“人力”が加わってもいいはずだ。「自動9割:人力1割」くらいのバランスなら、立派なピタゴラ装置に見えるだろう。
とにかく、この夏最後の思い出に、ちゃんと動くピタゴラ装置を完成させるのだ。大人12人のマンパワーをほどよく使いながら。
※この記事は日立製作所のシステム運用管理製品「JP1」とのコラボでお送りします。
朝10時半。気温30度を超える中、平日の代々木公園に工作好きたち(Daily Portal Z編集部+ITmedia編集部)が集まった。
今回作るピタゴラ装置は、スーパーボールが穴をくぐったりしながらレールの上を転がっていき、最後にテコの原理で旗が立つというシンプルなもの。
700円もする高級ガムテープや木ネジなど、東急ハンズで買ってきたそれっぽい材料が青空の下に並ぶ。せっかく装置を作るのだから、まずは人手に頼らず全自動を目指したい。
手始めにシーソー部分を作る。レールから落ちてきたボールの重さでひもを引っ張り、ぐいっと旗を立てる大事なパーツだ。フィナーレを演出する部分なので気合が入る。
だが、気合を入れたのもつかの間、「ドライバー買ってくるの忘れた」という声が上がる。いきなり万事休すかと思われたが、たまたまドライバーを持ち歩いているメンバーがいたためなんとか作業を続行できた。
そうしてシーソーは完成したものの、肝心の旗がうまく立たない。L字になっている旗の付け根をひもで引っ張ればテコの原理で立つはずなのだが、軸が左右にブレて倒れてしまう。苦戦している間に、だんだん風も強くなってきた。
旗のことはいったん忘れ、スーパーボールが走り抜けるレール部分を組み立てていく。ボールが脱線しやすいレールの継ぎ目は計2カ所。うまく動いてくれるだろうか。
そうこうしている間に、作業はまたしても壁にぶつかった。新たな鬼門となったのは、レールに沿って滑ってきたボールをシーソーで受け止める部分。受け皿となる竹筒の幅が狭かったためか、何度試してもうまく入ってくれないのだ。
2回、3回……角度や距離を変えながら何度もテストを繰り返すも、ボールは無残に地面に落ちてしまう。うだるような暑さで集中力が低下する中、製作チームのこだわりはだんだんなくなっていく。
竹筒の周りを手のひらでガードすれば、ボールはなんとかシーソーの受け皿に入ることが分かった。これくらいの人手の関与なら、ピタゴラ装置としてもなんとかセーフの範囲内だろう。
「そこはしょうがないから人力で」――魔法の言葉を手に入れ、無敵になったわれわれは、さらなる試練に挑む。
今までの苦戦が嘘だったかのように、サクサクと完成に向かう。装置の全体像が見えてきたところで、すだれが余っていたのでスタート部分に使うことにした。われわれのピタゴラ装置は、人が操るすだれの上から始まる。
こうしてコースの準備は完了。あとは放置していたフィナーレの旗をかっこよく立ち上げたい。いろいろ考えた結果、旗の軸にペットボトルのお茶を装着してバランスを取ることにした。これなら多少雑に力がかかっても左右にぶれずに旗が立ちそうだ。
炎天下で作業を始めてから1時間後、ようやくピタゴラ装置が完成した。複雑な仕組みによって華麗に動作するマシンの様子を、さっそく動画で見ていただこう。
波打つすだれの上をボールが走り抜ける第1ステップ。跳ねるボールをカップが優しく受け止める第2ステップ。レールを滑り降りてきたボールが竹筒に飛び込む第3ステップ。ボールの重さを受けて堂々と立ち上がる「自動化」の旗――。随所に散りばめられた人手が若干多いように見えるかもしれないが、それはきっと気のせい。夏の終わりにふさわしい、立派なピタゴラ装置が完成した。
こうして無事に完成したピタゴラ装置。9割の「自動」と1割の「人力」の組み合わせで、スムーズに動く装置を作ることができた。
なお、今回コラボした日立製作所のシステム運用管理製品「JP1」は、どうしても人手が必要となる点以外の運用管理業務を自動化することで、作業ミスによるトラブルを減らせる機能を備えている。他にもさまざまな運用管理機能を備えているので、詳しくはこちらの記事を読んでほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2013年9月25日