「出産後も働きたい」けど「時短勤務はちょっと不安」……IT担当者が見落としがちな“女性社員たちの本音”とは

» 2016年09月30日 10時00分 公開
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 今年4月に施行された「女性活躍推進法」によって、企業のIT環境は今後数年で大きく変わっていく可能性がある。このことは前回の記事で紹介した通りだが、実際の情報システム担当者はどのように考えているのだろうか。気になった記者は、アイティメディアの現役情シス・イシノさんに聞いてみることにした。

(関連記事:いまさら聞けない、IT担当者にとって「女性の働きやすさ向上」が“他人事”ではなくなった理由


記者 イシノさん、「女性活躍推進法」って知っていますか?

photo アイティメディアの現役情シス担当者・イシノさん

イシノさん ずいぶん唐突だね。聞いたことがあるような気がするけど、いまいち把握してないなあ。どんな話だっけ?

記者 えっ、知らないんですか? 企業や公共団体に対して、自社に所属している女性社員が働きやすい環境を整えるための行動を義務付けたものです。女性が活躍できる環境づくりための計画を作ったり、国に届け出たりしないといけないんですよ! イシノさんも情シス部門ならてっきり知っているとばかり……。

イシノさん そういえばそんな法律が施行されていたね、いま説明してもらって思い出したよ。でも、僕の仕事とはあまり関係ないでしょ?

記者 関係は大ありですよ! 女性社員が結婚・出産後も働き続けるためには、時短勤務制度や在宅勤務制度などが必要ですよね。それを実現するためには、各種ITツールが欠かせないじゃないですか。IT環境を整備するのは、この会社でいうと誰でしたっけ……?

イシノさん あっ、僕だ……。

記者 そうなんです。ところでイシノさん、女性が活躍するためにどんなIT環境が必要か、考えてみたことはありますか?

イシノさん いやー、残念だけどないね。僕の仕事はあくまで社員全員が働きやすいIT環境を整備することで、女性だけにフォーカスしたことはないし、考えたことなんかなかったね。

記者 それだと突然、経営層から「当社は女性社員がより一層働きやすい環境をつくることになったので、情シス部門はそのためのITを整備するように」と言われたときに即答できませんよ。うーん、これから一緒に、女性社員たちの“生の声”を聞きにいきませんか?

イシノさん まぁ、そうか。そうだね。聞いてみようか。

※以下の登場人物はいずれも仮名です。プライバシー保護のため、一部をデフォルメしています。

30代前半の企画・編集職、ユウコさんの場合

 まず記者が向かったのは、産休明けで職場復帰したばかりのユウコさん(30代前半)のもと。現在は時短勤務制度を活用し、社内で編集アシスタントなどの仕事を行っているらしい。働き方に関して悩みがないか聞いてみると――?

記者 ユウコさん、お疲れさまです。ユウコさんは育児休暇から明けたばかりでしたね。いま復帰してから何日目でしたっけ?

photo ユウコさん。30代前半で現在は育児休暇明け。久しぶりの仕事と育児の両立に奔走している

ユウコさん ちょうど15日目です! 職場復帰したはいいものの、毎日大変ですね……。ひーひー言いながら仕事してます。

記者 どのあたりが大変なんですか?

ユウコさん 子どもの保育園への送り迎えがあるので、午前9時40分から午後16時半までの時短勤務で働いているんですが、本当に時間が足りなくって。しばらく仕事を離れていたので仕事を忘れてしまってる部分もありますし、それ以外の部分も大きいですね。特に大変なのが「コミュニケーション」です。

記者 コミュニケーション、ですか?

ユウコさん はい。私はいま社外の人とやり取りすることが多いんですが、私が社内にいる日中って、そういう人たちは別のミーティングなどを行っているんです。すると、日中にメールを送っておいても返事が来るのは夜だったりと、スケジュールが1日ずつずるずる遅くなってしまって……。

 もちろん私の仕事にも締め切りがありますし、やり取りがスムーズに進まないからといって自分の事情で遅れるわけにはいきません。だから今は、こっそり家に残りの仕事を持ち帰ったりしているんですが、個人所有のPCではできることが制限されているので、なかなか難しいですね。

記者 なるほど、それは大変ですね……。会社のPCを持ち帰れる制度もありますが、それは使っていないんですか?

ユウコさん あー、使っていないですね……。というのも、会社帰りに保育園に立ち寄ると、まだ小さい子どもを抱いて帰らないといけないだけでなくて、使用済みのシーツやタオルも持ち帰らないといけない日もあるんですよ。今会社に支給されているノートPCは2キロ近くあるので、それも合わせて持ち帰るとなると……腕がどうにかなっちゃいますね(笑)

 会社が自宅用にもう1台PCを用意してくれれば解決するかもしれませんが、そんな贅沢は言えないですし……。今は、与えられた環境の中でどうすれば効率的に働けるか、試行錯誤しているところです。

記者 なるほど。最近ではWindows 10 Mobile搭載スマートフォンのうち、外部モニターにつなげばWindows PCとして使えるようになる「Continium」機能を備えたものも登場しつつあります。思い切って会社がこのようなスマートフォンを導入してくれれば、会社でも自宅でも気軽に同じ環境で働けるようになるかもしれませんね。

ユウコさん おおっ、そういうものがあるならぜひ欲しいです! スマホならこれ以上両手に負荷をかけることもありませんし(笑)

記者 そのような選択肢を検討する可能性もこれから増えそうですね。ユウコさん、お話を聞かせていただいてありがとうございました!

20代後半の営業職、ミカさんの場合

 続いて話を聞いたのは、20代後半の営業職、ミカさん。これから結婚を考えているらしいミカさんに、将来への不安がないか聞いてみると――。

記者 ミカさん、いま女性社員の皆さんに働き方に関する悩みを聞いているのですが、これから結婚や出産を考えるに当たって、不安に感じることはありますか?

photo ミカさん。20代の多くの時間をバリバリ営業ウーマンとして過ごし、今は結婚を考えつつあるという

ミカさん そうですね、正直不安はあります。20代は仕事もプライベートも楽しくて、自分の好きなように時間を使えてきたけれど、これから結婚とかを考えるとなると、この生活を変えないといけないんじゃないかって。

 どんな考え方を持った人と結婚するかはまだ分かりませんが、自分としては仕事も家事もやりたいですし。どちらも満足できるようになれればいいんですが、どちらかがおろそかになってしまうのは嫌ですね。

記者 仕事も家事もとなると、両立させるのはなかなかハードルは高そうですね。それにお子さんができたりすると、もっと大変になるかも。

ミカさん やっぱり、すき間時間をどれだけ活用できるかがカギになるのかなと思います。家事や育児といってもずっと付きっきりというわけではないので、移動中やちょっとした空き時間に、すぐ仕事モードに切り替えられる環境がほしいですね。

記者 そのために、現在の会社の制度やIT環境だとどのあたりが課題になりそうですか?

ミカさん すき間時間っていつできるか分からないものなので、事前申請を伴うPC持ち出し制度などは現実的じゃないかもしれないですね……。例えばですが、ものすごく軽いPCを常に持ち歩いていたりすれば、オンとオフを気軽に切り替えられるかもしれないです。

記者 そうですね。ミカさん、ありがとうございました。

30代半ばの広報・IR職、エミコさんの場合

 そして最後に、広報・IR職のエミコさん(30代半ば)に話を聞いてみた。エミコさんの周囲には、結婚・出産を機に退職してしまった友人も多いのだとか。話を聞いてみると――。

記者 これまで女性社員の皆さんにいろいろと話を聞いてきましたが、出産や育児をきっかけに働きづらくなることに不安や悩みを抱えている人が多いようです。エミコさんはいかがですか?

photo エミコさん。前の2人と違って複数回の転職経験があり、広報仲間たちとのネットワークが広い

エミコさん 私自身は今のところ結婚などの予定はありませんが、友人などで育児休暇後に退職してしまう人をたくさん見てきたので、難しそうだなあという印象があります。

 広報の仕事って、さまざまな会議に出る必要がありますし、社内で情報を集めないといけないし、外部からの電話をたくさんとる必要もあります。育児休暇後に時短勤務になったとしても、結局難しくて辞めてしまった友人は少なくないですね。

記者 確かに、職種によっては時短勤務が適さない場合もありそうですね。逆に、育児や介護をしながらでもうまく働けている人は周囲にいますか?

エミコさん 私の友人の1人は、自費ですごく軽いノートPCを用意し、常に持ち歩きながら仕事をこなしているようです。チャットやテレビ会議などのコミュニケーションツールをうまく活用しながら、すき間時間を使って効率的に働いているようですよ。

記者 他の人に話を聞いている中でも、軽いPCがほしいという声はよく上がりました。

エミコさん 女性はPCの重さが行動のネックになってしまう場合が多いような気がします。男性社員にとってはなんともない重さでも、2キロほどあると大変という女性は多いはずです。それに、女性向けビジネスバッグは、重いものを入れるのに向いていない場合も多いですし。

 でも、職種によっては持ち運びやすさだけが全てではありません。例えば経理のような仕事にモバイルワークが適するかというと、セキュリティ的な観点で難しい場合が多いはずです。それよりも、テンキーを備えたキーボードや大画面モニターなどを備えていたほうが、経理の働き方には合うでしょうね。

記者 女性社員と一概に言ってもさまざまな職種の人がいますし、それぞれに応じたITツールが必要になりそうですね。エミコさん、どうもありがとうございました。

「女性にとって働きやすい環境」は男性にも得? イシノが出した“答え”とは

記者 ここまで話を聞いてきましたが、イシノさん、情シス部門として感じたことや気づいたことはありますか?

イシノさん そうだね。話を聞いていて感じたのは、実は女性も男性もあまり関係ないんじゃないかということ。

記者 えっ、それはいったいどういう意味ですか。

イシノさん 男性と比べてさまざまなライフステージの変化に直面しやすい女性のほうが、IT環境に求める水準は高くなるのかなと思った。それに合わせていけば、自然と男性社員も働きやすい環境になるんじゃないかなと。

 僕たちのような情シス部門としては、社員のデバイスは管理効率を高めるためにできるだけ統一したいというのが正直なところ。でも、社員によってこれだけニーズが多様化した今、1つの端末で全員が満足するのは難しいと思う。そうすると現実的なのは、いくつか会社で推奨端末を用意しておいて、個々人に必要なものを選んでもらうといった形かな。

記者 確かにそれであれば、性別や職種によって異なるニーズも最小限の管理負担でカバーできそうですね。

イシノさん うん、人によってはキーボードがあまり必要ない場合もあるだろうし、そういう人にはタブレットやスマートフォンでもいいのかもしれない。一方、さまざまな使い方が必要な人には2-in-1端末を選んでもらうとか。

記者 女性活躍推進法によって今後、柔軟なワークスタイルを実現するためのITにコストを掛けようという流れができるかもしれないですね。

イシノさん ITの導入・運用よりも人材育成のほうがコストがかかると考えると、その発想は決して間違っていないと思う。企業全体でそのような流れが作れれば、いよいよ働き方が大きく変わるかもしれないし、そうしていかなくちゃいけないね。

「Microsoft Office」と「Microsoft OneDrive」でワークスタイル変革

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育児や家事などの事情を抱えている女性社員が活躍するためには、自宅はもちろん移動中や外出時など、いつでもどこでも仕事できることが欠かせない。そうした新しいワークスタイルを後押しするテクノロジーとして重要なのが、持ち運び可能な小型軽量デバイスやインターネット接続環境、そしてクラウドサービスだ。

自宅で子どもが就寝して時間ができたとき、保育園への送り迎えを終えたとき、家事が一段落したとき――そんな“すき間時間”に薄型PCをさっと取り出し、クラウドサービスにアクセスして仕事できれば、今まで仕事を続けることを諦めていた女性社員たちも社内のチームとともに業務に取り組めるだろう。

具体的には「Microsoft Office」とクラウドストレージサービス「Microsoft OneDrive」を使えば、社外で作成・編集したOfficeドキュメントも簡単にチーム内で共有できる。OneDrive内のドキュメントはチームで共同編集でき、誰がどこを編集しているかもリアルタイムに分かる。メールでのドキュメント共有でありがちな、宛先を間違えて外部にドキュメントが漏れてしまう心配もない。つまり、社内外を問わない働き方で求められるセキュリティも確保しやすいというわけだ。女性社員が活躍しやすい環境整備に向けて新規PCの導入を考えているなら、OneDriveが使えるMicrosoft Officeプリインストールモデルを選びたい。


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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2016年11月2日

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