持つ喜びに“観る”楽しみ――「HUAWEI MateBook X Pro」の個人的活用術(3/3 ページ)

» 2018年07月05日 10時00分 公開
[本田雅一PR/ITmedia]
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 450nitsという明るさは、1000nitsを映像制作の基準とするHDR(ハイ・ダイナミックレンジ)コンテンツを表示するには100%のスペックではない。このためか、ファーウェイは本機をHDR対応とはうたっていないが、Windowsの設定から「アプリ」→「ビデオの再生」を選び、「HDRビデオのストリーミング」という項目をオンにすることで、Windows内部でのHDRコンテンツ再生機能が有効になる。すなわち、本機のシステムそのものはHDRに対応していることになる(HDR表示が行えないシステムでは、この設定がグレーアウトして利用できない)。このあたりを踏まえて、再びNETFLIXアプリを開いて映像を確認してみた。

高い色再現性と高いコントラストでノートPCでも本気で映像にのめり込める(画面はイメージです)

 NETFLIXオリジナル作品の「オルタードカーボン」。ブレードランナーを思わせる、光と影、アジアと西洋、古さと新しさがミックスした映像はHDRとSDR両方でグレーディング(色調整)されており、Dolby Atmos®を駆使したサラウンド音声が組み合わせられている。

 なお本作品は4Kディスプレイ向けのストリームも用意されているが、NETFLIX側の制約で4K解像度に対したディスプレイに対して、Microsoft Edgeを用いて再生する場合にしか4K対応マークが出ない(フルHD版の再生となる)。13.9インチながら3000×2000ピクセルという超高精細を少しでも生かしたいところだが、これはハードウェア側の制約ではなくNETFLIX側の制約ということで仕方ない部分だ。

 まずはSDR版から視聴してみた。SDR版は一般的なフルHDテレビに対応するRec.709準拠の色再現域を用い、標準的なダイナミックレンジ(全暗の調整室で最大100nitsのマスターモニター上でエンジニアが調整する)で制作されたものだ。

 真っ暗な部屋での100nitsというのは、ある程度の明るさのある部屋(瞳孔小さくなっている環境)では、その何倍かの明るさが必要となる。450nitsという明るさはここで生きてくるので、自分の目の感覚によって明るさを合わせれば、1500:1というコントラスト比と正確にsRGB(再現域としてはRec.709と同等)をトレースする色再現を持つディスプレイが、極めて忠実度の高い映像を見せてくれる。

 あらゆる映像作品は、テレビや劇場での上映などを意識してSDRでのグレーディングを丁寧に行っている。このようなことから、ノートPCでの再生を考えるなら、SDR版を選ぶ方がより良い体験ができると筆者は考えているので、HDR対応をあえてうたわず、規定値でもHDRストリーミング対応が無効になっている本機の設定には賛成だ。

 それでも「HDR映像を楽しみたい」というユーザーももちろんいることだろう。HDR映像はSDRとは異なり、最大1万nitsの明るさまで記録できる。ただし、そこまでの明るさを表示できる機器が存在しないため、おおよそ1000nitsを基準にロールオフ(明るい部分を圧縮する)するように調整されている。また色再現の幅が拡がる特徴を生かせるよう、Rec.2020(4K/8K放送などで使われる色域)という、より広い色域で記録される。パソコン用、しかもノートPC内蔵ディスプレイで、こうした数値をクリアできるディスプレイは存在しないため、何かしらの方法でHDRコンテンツを内蔵ディスプレイの特性に合わせて特性変換したり、色再現域の変換を行わねばならない。

 Windows 10には、HDRストリームの表示をPCの能力や視聴する部屋の明るさに合わせて調整する機能が存在するため、まずはそれらを使いこなさなければHDRコンテンツを正常な形では楽しめない。あくまで筆者の感覚で調整した上でオルタードカーボンを楽しんでみた。

 結論からいうと、念入りに調整をすれば、HDRらしさも感じられつつ、本機のディスプレイが持つ良さ(ピーク輝度の高さや階調特性の良さ)を生かすこともできる。とりわけ、照明を落とし気味にした上でディスプレイ輝度を最大としてWindows 10のHDRディスプレイ調整を最適化すると具合がいい(真っ暗な部屋では黒浮きが気になるためあまりオススメはしない)。ノートPCで「ここまでHDR作品を楽しめるのか」と感心する。

 HDR作品の良さを充分に楽しめるだけのポテンシャルを備えたHUAWEI MateBook X Proのディスプレイはかなり優秀だ。ただし、よく調整された本機のディスプレイなら、SDR向けに映像エンジニアが入念に調整したSDR映像ストリームを楽しむ方が、簡単に良い結果を得られるだろう。

 オルタードカーボンのほか、同じくNETFLIXオリジナルの「ロストインスペース」「BLAME!」といったDolby Atmos®作品を続けて観たのだが、いずれもサラウンドの疑似音場再現が極めて良いことに気付く。前述したようにセリフの切れがよく明瞭であるため、どんなシーンでも重要なセリフを聞き落とすことがないが、その上で、きちんと空間の広さ、そして空間を埋める細やかな情報を感じる。小さな4つのスピーカーだけで、ここまでの音場を再現してくれるのはうれしい。

出先でも存分に映像を楽しめる

 本機のコンパクトなサイズを考えると、出張先などで質の高い映像を楽しめるというのは大きな魅力。Windows 10用NETFLIXアプリのようにダウンロード再生機能に対応していれば、出先でブロードバンド接続がなくても、この品質の映像を楽しめるわけだ。Dolby Atmos® Headphone対応も含め、「PCで映像を楽しむ」領域を大きく広げてくれる、極めて優秀なAV再生機能を持つ製品といえる。

Dolby Atmos®サウンド・システム搭載の高コスパモデル「HUAWEI MateBook D」

 HUAWEI MateBook X Proと同時にリリースされた「HUAWEI MateBook D」は、15.6インチのフルHD(1920×1080ピクセル)液晶ディスプレイを搭載したハイコストパフォーマンスモデルだ。ベゼル幅6.9mmの狭額縁スクリーンで、Webカメラを備えながらも画面が83%を占める。

「HUAWEI MateBook D」

 ボディサイズは約358(幅)×239(奥行き)×16.9(厚さ)mmとHUAWEI MateBook X Proに比べれば少し大きめ。その代わり3つのUSB Type-A端子(USB 3.0×2、USB 2.0×1)やHDMI出力などインタフェースは充実。マルチディスプレイ環境や大画面テレビへの出力も容易だ。重量は約1.9kg。

 大画面の使いやすさに加え、Intel Core i7プロセッサー、NVIDIA GeForce MX150(上位モデルのみ)を搭載するなどスペックも充実。スタンダードモデルという位置付けながらHUAWEI MateBook X Proと同じDolby Atmos®サウンド・システムを備えるなど、ビジネスシーンからプライベートまで幅広く活躍してくれるだろう。


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