チタンをここまで仕上げるか──「オシアナス」初の本格ダイバーズモデル金属魂特別編

今回、僕の撮影スタジオに送られてきたのは「オシアナス」のスポーティーライン「カシャロ」。200m防水とダイビングログ機能を持つ本格的なダイバーズモデルは、「オシアナスブルー」が目をひくエレガントな金属だった。

» 2020年08月20日 10時00分 公開
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 ダイバーズウォッチは男の憧れである。イメージがもうできあがっている。たくましい、毛深い左手首にはめられたこのごつい金属は、水などに濡れても何の問題もなく動き続ける。男の象徴のような金属だ。

 今回、僕の撮影スタジオに送られてきたのは「OCEANUS」(オシアナス)の「CACHALOT」(カシャロ)。型番は「OCW-P2000」である。

マッコウクジラの名前を与えられたオシアナス初のダイバーズウォッチ「OCW-P2000」

 カシャロは、フランス語でマッコウクジラという意味を持つオシアナスのスポーティーライン。そしてOCW-P2000は200m防水(ISO規格)とダイビングログ機能を持つ、オシアナスとしては初めての本格的なダイバーズモデルになっている。マッコウクジラは、深海まで潜る、ほ乳類最強のダイバーなのだ。

 こんな風に文字だけ書くと、どんどんオシアナスのエレガントなイメージから離れていく気もするけど、現物を見ると紛れもないオシアナスだった。

 ダイバーズウォッチとしては正統派の無骨ともいえるデザイン。なのに「オシアナスブルー」が目をひくエレガントな金属。それがオシアナスのカシャロだ。

 僕もダイバーズウォッチを持っているが、常用はしていない。ただデスクの上で眺め、磨き、愛でるだけだ。形に引かれて購入したはいいものの、この金属はとにかく重い。“陸ダイバー”の僕には時計としても使いにくい物だった。

 OCW-P2000はかなり大ぶりだが、驚くのはその軽さだ。本体重量127g。オールチタン製だとここまで軽くなるのかと驚いてしまう。

 これなら毎日手首にあってもいい。むしろファッションとしても好ましいと感じる。オシアナスブルーはスーツにもよく合うから、普段使いもできるダイバーズウォッチというわけだ。

 目を引くのは、「サファイヤレジスターリング」というもの。サファイヤガラス製で、鏡のようにも見える。0時から4時までのブルーは蒸着処理をしているという。

 このリング、いわゆる「回転ベゼル」になっている。潜水前にベゼルを回し、目印を分針の位置に合わせておくと、潜水中でも分針と目印の位置で経過時間が分かる。潜水時間は酸素残量とほぼ同義。それを正確に、確実に知らせてくれる。

オールチタン製の筐体(きょうたい)。針はカーボン製だ

 撮影台に置いてみてライティングしてみる。白のペーパーを写り込ませるときれいなオシアナスブルーが現れるのだが、黒をかざすとそれこそ真っ黒になってしまう。すごく面白いデザインだと思う。

 時分針は大きい。これでもかという存在感は、潜水時の視認性を重視したものだろう。どちらも「デュアルコイルモーター」という強力な駆動系を独立して持っていて、太い針が確実に、ときに素早く動いてダイバーに必要な情報をもたらす。潜水時間や水面休息時間、タイドグラフなどもアナログ表示だから感覚的に捉えられる。

チタンをここまで仕上げるか

 チタンについてだが、僕はどうにも認めたくない部分があった。硬度が高く、軽量で、しかも肌にやさしい、ともう理想的な金属なのだが、なぜか見た目が安っぽい。本当は高いのに。金、銀、のように表面がピカピカにならないのである。しかしこのOCW-P2000は違った。

 いたるところピカピカなのである。竜頭(りゅうず)の部分なんてステンレスと思うぐらいの仕上げだ。オシアナスのマークと八角形のボタンデザインもしかと受け止めて撮影した。

オシアナスマークが光る竜頭(りゅうず)。8角形のデザインが目を引く

 この竜頭は、ケースの気密性を確保するためにねじ込み式になっている。背面を見ると、普通なら4本のビスでとめる裏ぶたを、特殊なビス8本でロックしていた。ISO(国際標準化機構)が定める200m防水の条件を満たすためだ。

 これだけの品質で仕上げるためにどれだけの労力が払われているのか。表面加工はザラツ研磨とか簡単にいうけれど、チタンをここまで磨きあげるのは大変なことなのだ。それほどチタンはやっかいで、しかも魅力的な金属なのである。

 チタンだってここまで手間暇かけて仕上げればちゃんとしたものになるのだ。ただ、そうするとものすごく高価なものになってしまう。この辺のバランスが難しいのだけど、OCW-P2000は定価23万円(税別)と普通のサラリーマンでも手が届くレベルになっている。うまくバランスをとってるなあという感想だ。

 それなりの値段だけあって、機能もざくざくと入っている。Bluetoothでスマホとつなげば、時刻は随時反映されるし、ダイビングログを記録することもできる。

 例えば海外のダイビングスポットに行くとき。飛行機を降りてスマホの機内モードをオフにすれば自動的に現地の時刻に切り替わる。

 ダイビングログは時計本体で最大30本まで記録できる。こちらもBluetoothを介して潜水時間や潜水スポットの履歴をスマートフォンに自動転送。スマートフォン用アプリ「OCEANUS Connected」(iOS、Android)ではダイビングログの管理やタイドグラフの設定などが行える。

 時計の文字板で見たい情報と、アプリで確認できる便利な情報をしっかり切り分けた。だから金属製のアナログフェイスだって維持できる。

撮影は続く

 バンド部分をなめるように撮影する。僕は時計本体よりもバンドの方が好きなのかもしれない。とくにダイバーズウォッチに使われているバンドは金属の塊であって、それだけで存在感を発揮する。

ミラー仕上げがポイントになっているバンド部分

 カーバイト処理(炭化チタンコーティング。傷が付きにくくなる特殊処理)とミラー処理、のコントラストが際立っている。きれいなものはきれいに撮らなくちゃ、というのが僕の信条だ。

 面光源を当てると、見事な照り返しが戻ってきた。オシアナス、よく作られてる。いろんな物をこのスタジオで撮ってきたけれど、こんな感じは初めてだ。

 最後にLEDを撮影しよう。最近のLEDはとても明るい。右上のボタンを押すと文字板の5時と6時の間にあるLEDが2秒ぐらい点灯する。とてもきれいに文字板が浮き上がってきた。視認性は完璧に近い。

LEDライトは光の偏りがなく文字板がよく見える

 ああ、こういうことなんだな、と思う。金属好きの心を満足させるのはこんな、よく作られた金属でしかないのだ。

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提供:カシオ計算機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2020年9月19日

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