「HP Elite Folio」はニューノーマル時代を支えるデバイスになり得るか? 製品コンセプトをベンダー自らが解説5G搭載!“ARM版Windows 10”特集 第四弾

» 2021年07月26日 10時00分 公開
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 日本HPがARM64ベースの統合チップ「Qualcomm® Snapdragon™ 8cx Gen 2 5G Compute Platform」を採用したノートPC「HP Elite Folio」の国内販売を始める。同テクノロジーを採用した製品はまだ少ない。いち早く新しい製品を投入することに、PCメーカーとしてどのような狙いがあるのか。HP Elite Folioが築く新しい市場とその立ち位置について、同社の2人のキーパーソンに話を伺った。

photo 日本HP クライアントソリューション本部 ビジネス開発部 マーケティングマネージャー 松本英樹氏
photo 日本HP パーソナルシステムズ事業本部 モバイルビジネス部 プロダクトマネージャー 岡崎和行氏

コロナ収束後に向けた企業課題の一つがワークプレイス戦略

 2019年末から始まった新型コロナウイルスの大流行。2021年7月現在、いまだその渦中にあるが、この世界規模の厄災を契機に、大きく変化したのが在宅勤務を含むテレワークの普及だ。日本ではちょうど「働き方改革」が叫ばれていたころと重なり、それまで準備段階だった各企業が、いや応なしに本番を迎えることになったことは記憶に新しい。

 それから約1年半が経過した現在、在宅勤務とオフィスへの出社を使い分ける“ハイブリッドワーク”という新しいスタイルの働き方はすっかり定着し、ほとんどの企業はいくつかの課題を残しつつも、ビジネスが継続できているのではないだろうか。

 そんな状況の中、PC市場では全体的にモバイルシフトが起きているという。「従来は60%前後だったモバイルPCの比率が、2020年には一気に85%まで高まり、市場全体も約1.5倍に増えました(※)。もちろん、これは第一回目の緊急事態宣言による外出制限などを原因とする、在宅勤務者の増加が大きいでしょう。ただし、コロナ禍が収束したとしても、このトレンドはまだ続く可能性が高いと考えています」(松本氏)

 例えば事務職は固定席で業務にあたることが多いためデスクトップPCを貸与されることが多かった。しかし、在宅勤務が主流になると、持ち運べるノートPCへの移行は当然増える。さらにオフィスは空席が目立つようになり、モバイルシフトを受けてデバイスのみならずワークプレイスの在り方についても課題を感じている企業は多いだろう。

 「現在、企業が考え始めているワークプレイス戦略には二つの側面があります。一つはオフィスの移転、縮小やフリーアドレス拡充などに代表されるハード面、もう一つは会社や自宅以外でも柔軟に働けるように勤務ルールの改定を行うといったソフト面です。調査をしたところ、約6割(※)の経営者がワークプレイス戦略の見直しを経営課題と考えているようです」(松本氏)

※いずれも数値は日本HP調べ

 実は日本HP自身も2021年5月に本社を移転するという大きな決断を下し、江東区大島から品川駅港南口へと拠点を移した。特筆すべきは、オフィスフロアが移転前の半分になったという事だ。つまりこれは全ての社員が毎日出勤することを前提としていない。

 「新本社は働く場所というだけでなく、コラボレーション拠点としての位置付けでも強化されています。従来、会社と自宅だけだったテレワーク制度のルールも、カフェやサテライトオフィスなども含めて柔軟な環境を取り入れていくように経営陣は議論を進めています。市場調査や取材を進める限り、多くの企業でも同じような動きがあります。コロナ禍に対応したハイブリッドワークから、アフターコロナへ向けて、どんな場所でも仕事ができる『Work From Anywhere』の環境づくりへと歩み始めているのではないでしょうか」(松本氏)

モバイルPCからのさらなる進化 “パソコンのスマホ化”が始まる

 あらゆる企業がワークプレイス戦略の見直しに入っている今、HP Elite Folio(以降、Folio)を市場に投入する意図はどこにあるのだろうか? 松本氏は「Folioは場所を選ばないワークスタイルを加速させる存在になる」と説明する。

 「これからのモバイルPCは持ち歩くのに便利というだけでなく、スマートフォンのようにより身近なデバイスに進化していかなければなりません。つまり今後は『パソコンのスマホ化』が進んでいきます」(松本氏)

 ビジネスやプライベートを問わず、いまや欠かせない存在となっているスマートフォン。その最大の特長はWi-Fiが無くても4G LTEや5Gのモバイルネットワークに常時接続できる能力と、丸一日持つロングライフバッテリーを実現しているところにある。この特長によってどんな場所へも持ち歩けるのがスマートフォンのメリットだ。松本氏の言う“パソコンのスマホ化”とは、PCがその特徴を持つようになるという意味だと受け取れるが、実際にはどのような考え方なのか。

 「大きく分けて二つの意味があります。一つはアーキテクチャとしてのスマホ化です。従来のPCは有線LANまたはWi-Fi接続での利用が前提でした。会社や自宅ならまだしも、外出先でWi-Fiを探し回るのは非生産的です。また、4G LTEなどに常時つながっている状態だとPCのバッテリーが急激に減っていく事も大きな課題でした。この二点を解決したのがクアルコムのCPUと通信モジュールを搭載したFolioなのです」(松本氏)

 加えて、通信モジュールを搭載するノートPCも近年増えてはいるが、LTEの場合は回線そのものが混雑する(関連記事:KDDI社のインタビュー)。その状態を打開するために期待されているのは、やはり高速、低遅延、多数同時接続を実現する5Gだという。

 「二つ目はPCの使われ方としてのスマホ化です。私自身が今回のコロナ禍で経験していますが、6歳の息子が今年入学した小学校では、タブレットPCによるオンライン学習が始まっています。また、共働き世帯の場合は、お母さんも在宅勤務になります。複数の人間が同時にビデオ会議を始めると深刻な問題が起きます。それは通信帯域不足と音による干渉の問題です。同じ家、同じ部屋にいる限り良い解決策がありません。これは全員にとって大変なストレスになります。企業の在宅勤務者への大規模調査でも、私と同じ経験を持つ方々が大勢いらっしゃいました」と松本氏は語る。

 確かにそのような状況になれば、カフェやサテライトオフィス、カラオケボックスなどの3rdプレイスに「避難」するケースも多くなっていくだろう。まさにPCがスマホのように使えなくてはまったく仕事にならない状況となる。働く場所がますます柔軟になっていく新しい時代にしっかり対応できる製品が、Folioのようなニューノーマルを見据えた製品だ。

生産性の最大化を従業員とIT管理者それぞれの視点で考える

 「Folioは『Always Connected』『Modern Workplace』をコンセプトに開発された次世代デバイスです。大きな特長はスマートフォンの常時接続環境で培ったノウハウを生かした通信モジュールと、従来メーカーが提供するプロセッサと同等以上のパフォーマンスを発揮しながらバッテリーが長時間持つことにあります」と語る岡崎氏。

 特にFolioは機動力を生かした職種にぴったりだという。「経営層や管理職はもちろんですが、何と言っても営業の方に使っていただくと生産性の大きな向上が見込めます。しかし、コロナ禍になってからは在宅ワークを行う人が非常に増えたので、自ずとターゲット層も拡大しています。ただ、さすがに3D CADで設計図を作る、あるいは映像編集などを行うといったパワーユーザーの方々には不向きです。しかし、これからの時代はローカルでの作業だけを考えるのでなく、Azure Virtual Desktop(旧:Windows Virtual Desktop)などの仮想デスクトップサービスやリモートデスクトップを積極的に活用していきながら、パワーユーザーにも利便性を提供していく柔軟性が必要になっていくでしょう」(岡崎氏)

 「そもそもホワイトカラーのほとんどの業務はブラウザ、Officeアプリ、ビデオ会議アプリで成立しますので、Folioにはその必要十分な性能が備わっています。ただ、岡崎が説明するようなパワーユーザーや特殊な業務アプリを使う利用者についてはリモートで利用できる環境の構築も必要でしょう。ちなみにパワーユーザーが制作するコンテンツの多くは機密性が高くデータの持ち運びができないケースが多いので、セキュリティ面でも優位です。すでにそれに近い形の環境を構築している企業も増えています」(松本氏)

 さらに、クラウド経由でサービスを提供するという意味では、IT管理者側からも同様の見方ができるのだという。「Microsoftが提唱しているWindows 10をベースにMicrosoft IntuneやAzure ADを使ってデバイス管理をする『モダンマネジメント』もFolioを活用した生産性向上に貢献するソリューションだと考えます」と岡崎氏は説明する。フルクラウド化とモダンマネジメント。このような次世代システムの導入によって、ユーザーは本当の意味で場所を選ばず仕事をすることができるようになるというわけだ。

 「フルクラウド化やモダンマネジメントの時代に向けて、個人的に期待したいのはeSIMと5G通信の使い放題サービスです。今まではIT部門がセットアップしてくれたPCを従業員に貸与するというケースがほとんどだったと思いますが、モダンマネジメントの仕組みを導入した後には、在宅勤務者自身が自分のPCをセットアップするプロセスになります。その際に、物理的なSIMというのはどうしても扱いが難しい。あの小さなカードを挿すのも大変ですし、設定で手間取る人も出てくるかもしれません。また、退職時やPCの廃棄の際も抜き忘れないようにしなければなりません。さらに、通信帯域不足を解消したのはいいが、月の途中でデータ容量の利用制限が出てくればワークプレイスの自由度が失われるので、生産性は著しく落ちます。PCはスマートフォンと違い、扱うデータ自体が非常に大きいため、人によっては月間データ通信量が50GBでも足りないこともあります。LTE時代にはなかったデータ通信の使い放題サービスが出てきているのは“スーパーモバイルワーカー”である私にとっても朗報です(笑)。HPの強力なパートナーであるKDDI様は法人向けのeSIMサービスや5Gのデータ無制限サービスを業界で最も早いタイミングで発表されているので、今後の市場への共同提案が楽しみです」(松本氏)

 その他にもFolioのようなデバイスをフル活用できるIT環境の構築そのものに経営的な価値がある。これまで多くの企業が保有していたレガシーなデバイス管理・運用システムが必要なくなることでコスト削減につながるからだ。

 「PCのイメージや設定の展開、管理・運用のリソース確保でIT部門が悩むことも激減しますので、DXなど攻めのIT投資プロジェクトを検討できる余力が生まれる可能性があります」(松本氏)

他のARM版Windows 10デバイスとHP Elite Folioはどう違うのか?

 ARM版Windows 10デバイスはMicrosoftの「Surface Pro X」などを筆頭に、今後も各PCベンダーが次々と製品をリリースしていくとみられる。そんな中、HPとしてはFolioのどこに他社との差別化を示していくのか。岡崎氏は「Folioの差別化ポイントの代表としては、多くのHP製プリンタやディスプレイで動作検証されていることです。対応周辺機器については順次Webで発表していけると思います」と説明する。

 また、モバイルワーカーに配慮した機能が多いのもHPの法人向けモデルの特長となっている。例えば、ZoomやMicrosoft Teamsといったビデオ会議における会話品質を上げるためにマイク、スピーカーといったサウンドシステムの品質にはこだわっているという。

 従来のHP法人向けノートPCに搭載されているBang & Olufsen監修スピーカーは定評がありビデオ会議の際の利用満足度が高い。Folioにもクアッドスピーカーが搭載されているが、同様の評価が得られることはまず間違いないだろう。

 Folioはエンターテインメント向けに適した16:9ではなく、情報閲覧用に向いた3:2比率のタッチディスプレイ、キーボード上部にセットできるタッチペンなど、ビデオ会議やクリエイティブな仕事を行うユーザー向けの機能をふんだんに取り入れている。新しいワークスタイルに向けた提案モデルだけあって、製品としての仕上がりにも抜かりはないといったところだ。

 ARM版Windows 10デバイスとしてはMicrosoftと共に日本市場では先発組となるFolio。同社にとってもチャレンジが伴う製品になるが、新しい時代を踏まえた明確な戦略コンセプトとそれを受け止める確かな機能を持ったモバイルPCだといえる。Folioの動向を今後も見守っていきたい。

製品の詳細や各サービスとの検証結果はホワイトペーパーをチェック

 新しい時代へ向けていよいよリリースされる「HP Elite Folio」。今回の発売を記念して、新しいワークプレイス戦略を模索する企業にとって検討が不可欠なフルクラウド化/モダンマネジメントについてのヒントが記載された特別なホワイトペーパーを発表した。

 「HPのビジネスパートナーでもあるAZPower様にご協力いただき、ARM版Windows 10デバイスという意味では、おそらく業界で初めてとなるMicrosoftの各クラウドサービスとの検証情報を無償で提供させていただくことになりました」と松本氏。該当するホワイトペーパーへのリンクは文末に記載しておくので、多くの方に入手していただきたい。

 さらに「HP Elite Folio」トライアルキャンペーン(モニター募集)も実施中だ。下のリンクから申し込めるので、ARM版Windows 10デバイスの活用に興味がある方はぜひ応募してほしい。

URL:https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2106/22/news01.html

photo 左からKDDIの古閑氏、クアルコムの中山氏、KDDIの大川氏、日本HPの松本氏。KDDI社の5G専用デモショールーム「KDDI DIGITAL GATE」にて撮影

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この記事は日本HPの協力のもと、ITmedia NEWS編集部で一部編集したものです。

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