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» 2021年12月01日 10時00分 公開

「半導体製造装置」メーカー世界4強の東京エレクトロンがデータ活用 エンタープライズがクラウドに求めた要素とは

[PR/ITmedia]
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 半導体製造装置の業界で世界4強*の一角である東京エレクトロンは、株価が3年前と比較して3倍以上に上昇している、超大手かつ成長真っただ中の巨大企業だ。国内外に28の関連会社を持ち、18の国と地域に76もの拠点を構えている。

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 そんな同社は5月、データ活用基盤「GMX」を構築し本格稼働を始めた。目的は「さらなる成長のため」とアグレッシブだ。

 日々生まれるデータを集約し、経営や業務に活用する。表現はシンプルだが考えるべきことは多い。GMXの構築に携わった東京エレクトロンの柿良幸氏(情報システム部 部長代理)によると、GMXプロジェクトを進める上で直面した最初の壁は、社員にプロジェクトの意義を理解してもらい、浸透させることだったという。

 「どの企業にもあることですが、現状の業務プロセスなど、仕事の進め方を変えることに対する抵抗が少なからずありました。しかし、現状維持ではなく、さらなる成長のために、プロジェクトの意義を理解してもらい、能動的に協力してもらえる体制を築くことは容易ではありませんでした」(柿氏)

 しかし、運用を始めて約半年たった今では、実際に分析データを活用した社員から「これまで見えてこなかった事実が見えるようになった」という声も挙がってきた。

(前編)“攻めの姿勢”だけでいい? 「半導体製造装置」大手メーカー、東京エレクトロンのデータ活用術

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 「半導体製造装置」の製造で日本1位、世界4位のシェアを誇る「東京エレクトロン」は、“攻めのDX”からクラウド上でのデータ活用を推進している。しかし同社は攻めと守りのバランスを大切にしている。長所を伸ばすと同時に、コストダウンや効率化など短所をなくす姿勢も成長には必要であるとの考え方を示した。


縦割りから横展開へ 支えるのはデータ

 東京エレクトロンでは、各事業部門、グループ各社の工場、海外の現地法人などが、それぞれの強みを生かすため、業務プロセスやシステムを個別最適化して、切磋琢磨するなかで競争力を高めてきたという歴史がある。

 しかし、厳しさを増すグローバル市場でライバルとの競争を制し、めまぐるしく変化する予測不可能なビジネス環境に柔軟に対応するためには、個別に磨いてきたノウハウやスキルをグループ全社に横展開し、全体最適化を図り、総合力を身につける必要がある。企業におけるDXの必要性や持続可能性が叫ばれる現在、それを実現するための「核」となる存在が「データ」であることは疑う余地はない。

 そこで、東京エレクトロンはデータ活用のための基盤をMicrosoft Azure上に構築し、グループ全社の業務データを集約させ、全社員が利活用できるようにするGMX構築プロジェクトをスタートさせた。

 同社はそれまでも、簡易的なデータウェアハウスを運用していたがデータの有効活用という観点では、機能的に不十分だった。

 GMXには国内外の拠点で生まれるあらゆるデータが集まるだけでなく、分析のための機能も搭載。今では経営層向けのKPI分析基盤としての役割から、フィールドサービスによる顧客分析や経理部門などのレポート作成業務まで、幅広い領域で活用している。

 例えば、リアルタイムで売上状況や部品原価を確認できるため、利益率予測の確認やKPIの的確な把握ができ、次の戦略や施策にスピーディーにつなげられるようになったという。

データ収集はパートナーとともに

 データ分析基盤の構築でよくあるのが、基幹システムなど古くからあるレガシーシステムに業務データが散在しており、1カ所に集めるのが難しいという問題だ。経営に生かせるかもしれないデータを活用できないまま放置してしまうケースは多い。

 同社は基幹系情報システムとしてドイツSAP社の「SAP」を導入している。GMX構築で苦心した点について柿氏は、SAPのデータをいかに抽出して活用するかという点を挙げた。SAPは他システムと独立した状態で運用されており、ツールからのデータ転送が簡単ではなかった。

 東京エレクトロンはパートナー企業の電通国際情報サービス(ISID)と協力してGMX構築を進めた。SAPデータの抽出は、ISIDが提供しているデータ抽出・転送システム「BusinessSPECTRE」を活用することで解決した。

 ISIDの水本圭佑氏(エンタープライズIT事業部)によると、BusinessSPECTREは、Azure用のデザインパターンもあり、データ処理の基盤構成を順調に構築できたという。

photo GMXのシステム構成図

データ保存場所は堅牢に、アタッチメントは豊富に

photo 東京エレクトロンの柿良幸氏(情報システム部 部長代理)

 東京エレクトロンがクラウド基盤選びで重視したのは、堅牢(けんろう)性と拡張性の2点だ。柿氏はAzureを選んだ理由について次のように話す。

 「SAPのデータを扱うだけなら他にも選択肢はあったと思います。しかし、グローバルで使う基盤としてさまざまなデータを取り扱うため、情報セキュリティと将来的な拡張は重要な関心事でした。長く使うことになるので、サービス事業者のコミットメントも重視しました」(柿氏)

 GMXには高度な機密情報もデータとして格納される。情報漏えいは絶対に許されないシステムだ。世界で活躍するエンタープライズの立場から情報セキュリティの重要性を鑑みると、堅牢性は必須であり、選べるサービスは限られたという。

 一方で、守りが固くても柔軟性がないようではいけない。GMXは製造工場におけるIoTデータの扱いなど、今後も拡張を予定しているため、システムの追加や変更をしやすい基盤が必要だった。

 堅牢性を崩さずに拡張できる基盤がAzureだったというわけだ。他社のクラウド基盤サービスと比べると、Azureはサービスや機能の拡張に関するロードマップが示されており、新機能のトライアルもしやすいことが拡張性を求めた東京エレクトロンにとってはありがたいことだったという。

サポートがある安心感がエンタープライズには必要

 Azureを選んだもう一つの理由は、開発のサポート体制だ。東京エレクトロンは海外ベンダーのサービスも検討したが、サポート面ではMicrosoftに比べて消極的なところが多く不安があった。

 複数の候補と比較検討した結果、最も有効な支援策を提示してくれたのがMicrosoftだったという。

 東京エレクトロンとISIDは、データ基盤構築の構想をまとめた段階でMicrosoftにシステムの設計書を提示した。将来の拡張性など、要望も伝えながら3社でディスカッションを重ね、必要に応じてMicrosoftが構成の変更を提案するなど、レビュー体制が整っていた。

 データ分析の文化が浸透するとデータ基盤自体も成長していき、扱うデータの種類や量は増加していく。その結果、データ処理プロセスの煩雑化が起きる恐れがある。場合によってはインシデントの原因になる他、運用コストの増大にもつながる。

 データ処理のプロセスを極力共通化して保守性を高めるため、構成図や処理プロセスを3社で何度も議論し、最終的な構成をともに作り上げた。

photo 電通国際情報サービス(ISID)の水本圭佑氏(エンタープライズIT事業部技術ユニットEITコンサルティング3部2グループシニアコンサルタント)

 このとき東京エレクトロンとISIDが利用したのは「FastTrack for Azureプログラム」というサービスだ。一定の条件を満たした開発プロジェクトを対象にMicrosoftのエンジニアがシステム構成のレビューや過去事例の紹介などを無償提供する。

 「一緒に将来性を考えて戦略的な構成を考えられたのが良かったです。パフォーマンスの課題などに直面した際にも、MicrosoftはGMXプロジェクトのメンバーとして積極的に関わってくれ、チーム一丸となって対応してくれたことから、安定稼働に持ち込めました」(水本氏)

エンタープライズならではのデータ活用

 データ活用はさまざまな業界・企業で当たり前になりつつある。大企業はもちろん、中小企業でもデータを分析して需要予測や業務効率化などにつなげようという試みはある。

 しかし、事業内容や目的により重視するポイントは異なる。小売業かBtoB企業か、強みを伸ばしたいのか今抱えている課題を解決したいのかでもデータの使い方は変わってくる。

 データ活用基盤も、素早く結果を得る必要があるのか、遅くても詳細な情報を出力してほしいのかといった需要次第で必要な機能や要素が変わる。

 東京エレクトロンが国際的に活躍する大手企業としてDX推進のためのデータ基盤に求めたのは、拡張性と堅牢性、サポートだった。セキュアな状態を保ったまま、長期的な変化にも対応できる基盤を、一緒に作ってくれるパートナー企業を探した結果、東京エレクトロンはMicrosoftにたどり着いた。

 柿氏はMicrosoftに対し「GMXの構築を機に、今後、爆速でDXを推進していくつもりです。Microsoftであれば、その変革のスピードに遅れることなく、追従してくれると思うので、今後もその姿勢は堅持してほしいですね」と今後への期待をにじませた。

*出典:Gartner, “Forecast Semiconductor Wafer Fab Equipment(Including Wafer-Level Packaging), Worldwide, 1Q18 Update”および“Worldwide Total Systems Sales from Equipment Database June, 2018(VLSI research)”



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