「ZOZOTOWNは未完成」 橋本ZOZOTOWN CPOが語る“価値爆増”への取り組み

» 2024年03月29日 10時00分 公開
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 ファッションECとして絶大な人気と影響力を持つ「ZOZOTOWN」。そのプロダクト責任者であるZOZOTOWN CPO(Chief Product Officer:最高製品責任者)に2023年6月に就任したのが、ZOZO 執行役員の橋本祐樹氏だ。

 本記事では、橋本氏が目指すZOZOTOWNの姿や開発組織の魅力、カルチャーについてインタビューの模様をお伝えする。

photo 橋本祐樹氏(ZOZO 執行役員 兼 ZOZOTOWN CPO):12年に新卒採用でスタートトゥデイ(現:ZOZO)に入社し、8年間ZOZOTOWNのシステム開発を担当する。20年ZOZOテクノロジーズ EC開発本部 ZOZOTOWN部 部長、21年ZOZOへ転籍してZOZOTOWN開発本部 本部長を務めた後、23年6月より現職。ZOZOTOWN開発本部、品質管理本部を管掌する

各部門を俯瞰し、想いを最大化する

――23年6月にZOZOTOWN CPOに就任されました。これまでのご経歴と現在の業務範囲を簡単にお聞かせください。

橋本氏(以下、敬称略): 12年に新卒でスタートトゥデイ(現:ZOZO)に入社しました。物心ついたころからファッションが好きだったのが入社した理由の一つです。

 ファッションは「衣食住」といわれるように生活と密着したものでありながら、自己表現でもあります。お気に入りの服を着るだけで気分が高まったり、笑顔になったりしますよね。そのファッションを軸に世の中を楽しくできないかと考えていて、当社の事業に魅力を感じました。

 現在はZOZOTOWN CPOとして、何を開発すべきかを決めるのが最も大きな役割です。足元のビジネス状況だけでなく、中長期的な視点で取捨選択しながら開発の指揮をとっています。それに付随して、より良い開発組織へのアップデートなどもミッションです。

――ZOZOTOWN CPOとして取り組みを進める中で、どのような役割を果たしたいと考えていますか。

橋本: ZOZOTOWN CPOは新設のポストですが、これまでも同様のポジションはありました。ただ、各部門の想いや背景を受け止めて、どのような開発をしていくか。組織が大きくなるにつれて、この点をより強化する必要が生まれてきたと感じています。

 私は新卒で入社し長くZOZOTOWNを見てきました。多くの部門とコミュニケーションを取る中で、それぞれの想いを受け止めてそれらに優先順位を付け、プロダクトの価値を最大化するような開発を行ってきたことが、ZOZOTOWN CPOに任命された理由の一つだと考えています。

 そもそもZOZOTOWNにとって、Webサイトやアプリはサービスの中心ではありますが、あくまで事業の一つでしかありません。そこには営業やマーケティングなど非常に多くの部門が関わっています。そのため、他部門とのコミュニケーションを大事にしながら事業全体を俯瞰(ふかん)することは常に意識しています。

――ZOZOTOWNをどのようにアップデートしていきたいと考えているか、お聞かせください。

橋本: ZOZOTOWNが目指すのは、単純にアイテムを買うだけの無機質なECではない、人々の感情を揺さぶるようなファッションECです。ファッションが好きな人と同じ目線で、きめ細かな機能や他社には創れない付加価値を提供する――こうした点を目指して改善を続けています。

 最近ではパーソナライズ機能やアイテムレビュー機能も実装しています。アイテムレビューはこれまで、不適切なコメントのリスクなどを考慮して実装していませんでした。ただ、世間的にレビューを購買時の参考にする人は少なくありませんし、ユーザー体験のさらなる向上を図る上で必要だと考え、実装に至りました。アイテムレビューをリリースしたところ、SNSで「神アプデ」「待ってました!」といった声を頂いており、うれしい限りです。

「価値爆増」をテーマに生産性を向上

――他部門とのコミュニケーションや感情を揺さぶるUI/UXのほかに、橋本さんが大切にしているテーマなどはありますか。

橋本: 一言で表すなら「ユーザーに届ける価値爆増」です。もともと、社内にファッションやコスメに対する熱量が高いメンバーが多く在籍しており、各自の「やりたい」ことであふれているのがZOZOです。そうした想いを価値に変換し、ZOZOTOWNのユーザーに実感してもらえるように速く、たくさん届ける。この点も常に意識しています。

 何かプロジェクトを進める、あるいは機能を開発する際に、悩んで止まっている時間は非常にもったいないと考えています。各領域のプロフェッショナルがクリエイティビティーを最大限に発揮できる時間をいかに増やせるか。ユーザーに対する価値を高めるにはこの点が非常に重要です。

 そこで、さらなる“価値爆増”に向けて、ZOZOTOWN CPOに就任してから開発プロセスの分析に取り組んでいます。この1年弱で案件数やリードタイムなどを分析して、開発組織のパワーを定量的に可視化することで生産性の向上を目指してきました。この取り組みは、開発や運用のボトルネックを自動化したり標準化したりといった改善策につながっています。また、機能を開発する際に「スピードを重視するか」「メンテナンスコストを重視するか」といったバランス感覚を求められるシーンが、良い意味であぶり出されてきた感覚があります。

 中長期にわたって絶対に必要だろうという機能であれば、時間はかかっても念入りに開発することで後々のメンテナンスコストを削減できます。将来使われるか不確実な機能は設計を省力化してリリースを早め、ユーザーの反応を見て次の一手の戦略を練ることも一つの方法です。生産性への意識が開発組織全体で上がったことで、この辺りを各エンジニアが自律的に考え、レベルの高い議論ができるようになりました。こうした生産性向上に向けた具体施策や組織全体での意識醸成は、今後も取り組んでいきたいと考えています。

――価値爆増を目指す上では、ユーザーのニーズや動向を開発組織が理解することも非常に重要です。この点はどのように工夫されていますか。

橋本: ZOZOTOWNのアプリに対するユーザーのレビューやカスタマーサポートに入った問い合わせのレポートが、組織のSlackチャンネルに流れるようにしています。また、開発部門の中には専門スキルを持ったアナリストが所属していて、「この機能がどのくらいのユーザーに使われた」「機能開発によって商品ページの通過率が高まった」といった数値面のフィードバックをする仕組みもあります。

 これらのデータを見ながら開発できることで、自分から機能改善や最適仕様の提案をするエンジニアがたくさんいます。中には「もう実装しておきました」と、自律的に動くメンバーもいるくらいです。自分自身がZOZOTOWNのいちユーザーとして感じたことを開発に反映させるケースもありますし、非常に頼もしい限りです。

「熱い部活動」のように当事者意識を持って取り組む

――その他、開発組織に特有のカルチャーがあれば、ぜひお聞かせください。

橋本: 自分たちのサービス、プロダクトに誇りを持っているメンバーが非常に多いと感じています。協力し合って業務に取り組んでいる点も特徴ですね。距離が近く仲が良いからといって、アイデアを出す際に衝突を恐れて中途半端なものになることもありません。各自が高い理想を持ち、モノ作りに対して建設的に熱い意見を出す、そんな組織です。皆で一丸となり甲子園を目指す「熱い部活動」のような空気が近いかもしれません。

――今後、開発組織をどう進化させていきたいとお考えでしょうか。

橋本: さまざまな部門とコラボして、自律的に課題発見から価値の提供まで担える組織を目指していきます。そのために重要なのは当事者意識です。

 開発組織が動かなければプロダクトは進化しませんし、「自分たちがZOZOTOWNを作る」という気持ちを持ち続けたいですね。現場のメンバーにも、当事者意識の重要性はよく伝えています。新機能一つ取っても、自分自身が本当に必要であり良いものだと思っているかどうかで出てくるアイデアやアウトプットの質は変わると思います。もちろん今も十分に当事者意識を持てている組織ですし、それがあったからこそ、ここまでサービスが成長してきたと思っていますが、今後も大切にしていきたい考え方です。

――より組織を拡大していくに当たり「こんな人と働きたい」という人物像があればお聞かせください。

橋本: 当社は「ZOZOらしさ」として「ソウゾウのナナメウエ」「日々進歩」「愛」を掲げています。中でも「愛」は当社っぽさがあふれた言葉で、非常に気に入っています。

 創業者の前澤さんは、よく「良い人が良い人を作る」と話していました。会社は人と人が協力することで、1人では成し遂げられない大きな何かを生み出せる場所です。スキルももちろん大切ですが、そのためには利他的な思想やギブアンドテイクを大事にできることが重要だと私は考えています。

 その意味で、先に挙げた3つのZOZOらしさへ共感できる人、そして実際に行動に移せる人と一緒に働きたいですね。エンジニアで言えば、技術の進化に合わせて自らスキルアップを図り、挑戦を楽しめる人でしょうか。そういう人は自分で成長サイクルを作れますし、周囲にも良い影響を与えるはずです。

――最後に、読者へメッセージをお願いします。

橋本: 当社は今「ファッションの『こと』ならZOZO」と想起してもらえる存在を目指して、業界の隅々まで根を張っている最中です。その中心にあるZOZOTOWNは、まだまだ未完成であり発展途上のプロダクトです。今後も継続的に多くのエンジニアのアイデアやユーザーニーズを取り入れることで、より良く進化できる余白がたくさん残っています。

photo 同時取材をした瀬尾直利氏(右、ZOZO 執行役員 兼 CTO)と橋本氏(左)。瀬尾氏の取材記事はこちらを参照

 ZOZOらしさや組織のカルチャーに興味を持つ人がいれば、ぜひ一緒にワクワクする未来を作っていきたいですね。当社の事業の意義、そしてファッションの魅力に共感できる人なら、きっとこれから先、ZOZOTOWNを通して面白い仕事にたくさん出会えるはずです。

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