高品質ビジネスPCの秘密は米沢市にあった AI、ロボット、人が協働する工場に潜入

PR/ITmedia
» 2025年11月26日 10時00分 公開
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 ビジネスの現場でPCに求められる要件が高度化している。働き方の多様化やAI活用の本格化が進む中で、堅牢(けんろう)性、高いパフォーマンス、そして不具合が起きにくいといった要件を兼ね備えた高品質なビジネスPCが求められているからだ。

 その期待に応えるブランドの一つがNECパーソナルコンピュータだ。同社のビジネスPC「VersaPro」「Mate」が高い品質と信頼性を誇る背景には、山形県にある米沢事業場で開発から生産までの工程を一気通貫で行っている点がある。AI、ロボット、そして長年培ってきた人の技術を融合して「スマートマニュファクチャリング」を推進し、「米沢品質」を日々進化させている。

 今回はそんな米沢事業場に潜入。注文から最短3日後の納品や製造時の不良を新人作業者でも「ゼロ」にすることを可能にした最新の生産ライン「ABLAZE」の実態をレポートする。

ALT 山形県米沢市にあるNECパーソナルコンピュータ米沢事業場

「単なる工場ではない」米沢事業場が担う4つのコア機能

 米沢事業場は1984年にPCの生産を開始した。現在はNECパーソナルコンピュータのビジネスPCの全てとコンシューマ向けPCの一部を生産している。1日の生産台数は最大約6000台、納品までのリードタイムは注文から最短で3日後というスピードを誇る。

ALT NECパーソナルコンピュータ 執行役員 コマーシャル営業推進本部長 飯田陽一郎氏

 NECパーソナルコンピュータの飯田陽一郎氏は、「米沢事業場は単なる工場ではありません。開発拠点であり、生産拠点であり、品質拠点であり、サービス拠点です。われわれのブランドのコアである『品質』と『信頼』を担保するための全ての要素が米沢にあります」と説明する。

 飯田氏が特に強調したのが「品質」だ。設計、部品調達、製造、品質保証に関わる部門を米沢に集約している。品質保証の一環として、出荷後のPCにトラブルが発生した際に原因究明と解決を図るカスタマーケア部隊も常駐しており、「おせっかい」なまでにユーザーをサポートする体制も構築しているという。

 「開発チームや部品メーカーの人間を巻き込み、一体となってお客さまのトラブル解決に当たります。先日もある企業で、閉域網で認証できないという問い合わせがあったのですが、米沢の開発チーム、LTEモジュールの設計者、LTEモジュールの部品メーカーの担当者が出向いて原因究明に当たりました。結果的にわれわれの責任ではありませんでしたが、まずはそもそも不具合を起こさない、そして起こしたとしてもおせっかいなぐらいお客さまに寄り添ってトラブルを解消することを意識しています。これが米沢の品質保証です」

トヨタ生産方式からAI、ロボット活用へ 「スマートマニュファクチャリング」の狙い

ALT NECパーソナルコンピュータ 生産事業部長 塩入史貴氏

 米沢事業場は生産ラインの効率化を徹底的に追求してPCの品質を高めており、そのレベルの高さから「海外からの視察も多い」とNECパーソナルコンピュータの塩入史貴氏は話す。

 2000年にトヨタ生産方式を導入して以来ブラッシュアップを続け、生産性を高めてリードタイムを短縮してきた。2018年からは、労働人口減少や熟練工の引退といった社会課題を克服しながら生産性と品質をさらに向上させるため「スマートマニュファクチャリング」に取り組んでいる。

 NECパーソナルコンピュータの坂雅浩氏は詳細について「熟練工に頼らない生産体制を確立するため、全ての工程を見直して標準化、自動化を進めています。現在は納入された部品の箱の開封、運搬、梱包、ラベル貼りといった作業にはロボットを導入し、AIを使った品質検査も行っています」と説明する。

 現在メインの生産ラインは「セルライン」方式だが、2025年にはロボットとAIをより活用した新たな生産方式「ABLAZE」ラインの稼働も始めた。

ALT NECパーソナルコンピュータ 生産事業部 プロジェクト&スマートマニュファクチャリング部 マネージャー 坂雅浩氏

 従来のセルラインは約7人の作業者が協力して1台のPCを完成させる方式で、作業者一人が担当する工程が比較的長かった。

 「ABLAZEはこの工程をさらに細分化し、一人当たりの担当工程を3分の1に減らしました。作業者はセルラインの2倍必要になりますが、生産能力は3倍に向上しました。作業を覚える時間が短縮され、新人でも1カ月でラインに立つことが可能です。実際、新人作業者が加わったABLAZEラインで、製造時の不良がゼロだったという成果も出ています」(坂氏)

ロボットが箱を開け、AIが中身を検査 スマートマニュファクチャリングの現場へ

 ここからそんなスマートマニュファクチャリングの現場を、部品の納入からピッキング、生産、検査、梱包(こんぽう)、出荷まで順を追って見ていこう。

部品の受け入れ

 部品受け入れエリアには4つのゲートがあり、サプライヤーの倉庫から1日8回部品が納入される。各カーゴにQRコードが貼られており、カメラで読み取るだけで中身の種類と数が一致するかを瞬時に検品。自動的にシステムに部品データが登録され、納品作業が完了する。「以前は寒い中で人が箱を数えていましたが、そうした作業が不要になりました」(塩入氏)

ALT 部品の受け入れエリア。4つのゲートがあり、1日8回部品が納入される
ALT トラックから部品が運び込まれる。カーゴ前面に貼られたQRコードで納入される部品を管理している

 納入された段ボール箱の開封なども独自開発したロボットが自動で行う。

ALT 部品が納入されているダンボール箱を自動的にカットする装置
ALT このようにダンボール箱がカットされる

 製品によっては海外のODMメーカーから納入された半完成品が納入されることもある。これらは生産工程に入る前に、「内観検査」ロボットが内部のケーブル配線やコネクターの接続状態、ネジの浮き沈みなどを確認。同時に、人がキーボードのフィーリングや外観の傷の有無もチェックする。この時点で不良品が発見されれば、生産に着手する前にODM元へ返品される。

ALT 半完成品の内観検査を自動で行うAI搭載ロボット

部品のピッキング

 部品のピッキングは、RFID(非接触ICタグ)などを活用したデジタルピッキングシステムによってミスの防止と効率化を図っている。 作業者がRFIDカードをリーダーにかざすと、該当の棚が光り、取るべき部品と個数が指示される。作業員は光った場所から部品を取るだけだ。

ALT カートを動かしながら必要な部品をピッキングする
ALT 事業場内には自動運転のAGV(自動搬送車)が走り回り、部品や半完成品を運ぶ

セルラインと新たな生産方式「ABLAZE」は何が違うのか

 ノートPCを生産するセルラインは23あり、1ラインあたり約7人で組み立てと機能検査、LCD液晶の貼り付けと圧着を行っている。各作業者の前にはモニターが設置され、PCに組み込む部品や貼るべきラベルなどが表示される。

ALT ノートPC生産のセルライン
ALT モニターに組み立てるPCの仕様が表示される

AIとロボットをさらに活用した「ABLAZE」ライン

 ABLAZEではラインの長さが約30メートルと長くなり、自動ラベル貼りロボットや組み立て後の内観検査をするAIロボットなどを導入して自動化を図っている。

ALT ABLAZEラインの全体像

 ラベル貼りロボットは、人が貼るとズレやすいラベルを正確に自動で貼り付け、ローラーで圧着する。内観検査ロボットは、組み立て後の製品内部のケーブル配線やネジの浮き沈みの有無をAIが判定する。これは前述の半完成品を検査するロボットと同じものだ。

 「内観検査は人間が行ってきましたが、ごくまれに見落としがあったり、目が肥えてくると規格以上に厳しい判定をしてしまったりすることがありました。AIで自動判定することで品質レベルを一定に保てています」(塩入氏)

ALT 検査結果はモニターに表示される。目視で行う検査やキーボードのフィーリング検査などもここで同時に行われる
ALT こちらは自動ラベル貼りロボット

巨大ロボットが箱を積み、QRコードで全数管理

 完成したノートPCは2ラインある梱包専用ラインに送り、梱包する。ベルトコンベア上で、あらかじめ1台分ずつキット化されたアダプターやマウスといった添付品と本体を照合し、箱詰めする。

ALT 2ライン用意されている梱包専用ライン

 梱包した製品は、大型のパレタイズロボットによってパレットに整然と積まれる。パレットが完成すると自動でラップが巻かれ、その横をカメラが上下しながら箱の全てのQRコードを読み取る。これによってどのパレットにどのシリアル番号の製品が入っているかがデータ化されて出荷リストが自動で作成される。この後は出荷エリアに集められ、配送地域ごとに自動で仕分けられる。

ALT 大型のパレタイズロボットがPCの箱を持ち上げパレットに載せる
ALT パレットを回転させて箱に印刷されているQRコードをカメラで読み取る様子

米沢が生んだ“超”長時間駆動ビジネスPC

 米沢事業場で生産しているビジネスPCの中でも今注目したいのが「VersaPro UltraLite タイプVY」(以下、タイプVY)だ。

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 タイプVYは「インテル® Core Ultra 7 プロセッサー」を搭載した「Copilot+ PC」で、最大の特徴はバッテリー駆動時間の長さにある。動画再生時約20.1時間、アイドル時は40.2時間と※1と、同社の従来機に比べて約1.74倍の長さを実現した。大容量バッテリーの「バッテリー(L)」を選択しても約995グラムと、軽量性も両立させている。柔軟な働き方やAI活用が進む中で求められている要件と品質を兼ね備えたビジネスPCの一つだ。

※1:「JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver. 3.0)」で計測。

AI、ロボット、人の協働が「米沢品質」を進化させる

 ここまで見てきたように、NECパーソナルコンピュータのビジネスPCは品質へのこだわりとAI、ロボット、人の協働によって進化している。ここで生まれる高品質なビジネスPCが、日本企業のDXやAI活用を力強く支えるだろう。

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提供:NECパーソナルコンピュータ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2025年12月18日