SusHi Tech Tokyo 2026
“人型ロボ完全国産化”目指すベンチャーから身長約130cmの小型モデル 中国機ベースも、近く国産化ロードマップ発表
国産ヒューマノイドロボット開発を目指すドーナッツロボティクス(東京都港区)が、東京ビッグサイトで開催されたスタートアップ展示会「SusHi Tech Tokyo 2026」(4月27~29日)で新型機「cinnamon mini」(シナモン ミニ)を初公開した。現時点では中国製ロボットがベースだが、近く同社製ヒューマノイドロボットの国産化に向けた具体的なロードマップを示す方針も明らかにした。
cinnamon miniは身長約130cm、重量約35kgの小型ヒューマノイドロボット。工場や建設現場での活用を見込む前モデル「cinnamon 1」に対し、店舗での動線誘導、ダンスによる空間演出、ホテル受付などの用途を想定する。
特徴は、動画から動作を学習できるとうたう技術の搭載だ。従来、ロボットの動作データ(VLA:Vision-Language-Action)を作るには、モーションキャプチャー用のスーツや専用機材を使って人間の動きを記録する必要があった。
新方式では、動画をプラットフォームに送ると3Dデータに変換され、シミュレーション上でロボットが安全に動けるかを検証してから実機に転送する。YouTubeなどに公開されている動画も学習素材になり得るという。
VLAの基盤となるプラットフォームには、中国のロボット企業AgiBotが提供する「Genie Studio」を採用。Genie Studioをベースに、ドーナッツロボティクスが日本企業向けのチューニングを施す形だ。
会場では、デモンストレーションとして同様の手法で実現したダンスを披露。29日には、音楽グループ「新しい学校のリーダーズ」とのコラボステージも実施し、メンバーと一緒に4台のcinnamon miniがステージ上で踊った。
小野泰助CEOはcinnamon miniの強みについて「モーションキャプチャーで一つ一つ教える必要がなくなる。革新的なことだと思う」と述べる。同技術は次世代機にも標準搭載し、cinnamon 1にも反映していく予定だ。
すでにホテルで導入の検討が進んでいるといい、フロントから客室への配達やエレベーター操作といった業務向けに、1ホテルあたり2台程度、年内に10台規模の導入を見込む。今後は不動産や高齢者施設での活用も視野に入れており、価格は機体1台あたり1200万円程度で調整中。cinnamon 1(約1800万円)より安価に設定する方針だ。
なお、同社はcinnamon 1のベース機体を明かしておらず、「中国のメーカー」とのみ説明していたが、cinnamon miniについてはベースが中国AgiBotの「X2」であると明言した。
次世代機は「Optimus Gen3超え」うたう
会場では、小野CEOが年内に発表予定の次世代機「cinnamon 2」についても触れた。具体的な発表時期や仕様は「調整中」として伏せたが、「米TeslaのOptimus Gen3に勝っている。日本のスタートアップは普通、テスラとの3年差を1年に縮めますと言うが、僕たちは完全に勝っている」と性能に自信を見せた。
さらに、ヒューマノイドロボット「Figure 03」を手掛ける米Figure AIの元AI責任者がドーナッツロボティクスのアドバイザーに就任したことや、4月にヒューマノイドロボットの設計を担う技術者が入社したことも明らかにした。
ドーナッツロボティクスはヒト型ロボットの国産化を目指すベンチャー。現在は手足などの部品を中国の工場から調達し、日本国内で組み立てることで、法的な日本製を実現している段階だが、将来的には全部品を国内メーカーと共同開発し、完全な国産化を目指す方針だ。すでにTSMCやソニーなど国内メーカー数社と協議も進んでいるという。
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