「GREE」を株式会社にした理由
国内ソーシャルネットワーキングサイトのさきがけ「GREE」を運営する「グリー株式会社」が12月7日に設立される。社長に就任するのは、GREEを開発し、ボランティア運営してきた田中良和さん。勤めていた楽天を10月に退社し、GREEの運営に専念する。株式会社化に踏み切ったのは、GREEを長く続けるためだという。
「個人運営は大変だった」と田中さんは振り返る。ユーザーが11万人以上いるのに、運営するのは田中さん一人。田中さんが旅行に出かけたり倒れたりすれば、サポートやサービスが止まってしまう。かといって、GREEをボランティア運営してくれる仲間がいるわけでもない。複数の人間でサポートするには、会社化して組織を作る必要があると考えた。
GREEからの収入はほとんどなく、運営費用は私財でまかなっていたが、「お金も無限にあるわけじゃない」。11万もユーザーがいる今、お金がなくなったからやめるというのも無責任だ。11万人の個人情報を一人で管理するのも、限界だと感じていた。
また、楽天に所属した個人のままだと、時間や就業規則などの制約があり、外部とのやりとりも不便だった。社長としてGREEに専念すれば、時間の面でも制度面でも自由が増し、取引先など他社からの信頼も高まる。
「株式会社は、GREEを長く維持するための入れ物」。
GREEは、変わらない
「GREEをどうするかの意思決定は、僕がする。そういう意味では、株式会社化しようがしまいが、まったく変わらない」と田中さんは強調する。資本金1000万円のうち100万円は楽天の出資を受けたが、残りは田中さん持ち。GREEのスタンス――リアルの友人とコミュニケーションできるツールを、できるだけたくさんの人に提供する――も、変えるつもりはない。
ただ、収益を上げることに対しては、厳しい姿勢で取り組む。GREEの収入源は現在、Amazon.co.jpのアフィリエイトとGoogleの広告サービス「AdSense」のみ。運営は厳しい。「お金を稼ぐことと、いいサービスを作ることは車の両輪」。新たな収益モデルを模索し、早期の黒字化を目指す。
楽天の社員だったころ、開発は休みの日や終業後にしかできなかったが、今後は多くの時間を割けるようになる。楽天でさまざまなネットサービスを作った経験を生かし、既存のソーシャルネットワーキングサイトの枠にとらわれない、新しいサービスを展開したいと意気込む。「どんなサービスが欲しいか、要望があればメールで送ってほしい」。
今は、オフィスの選定や、事務手続きに追われる毎日。役員の体制作りなど組織面ももこれからだ。落ち着き始める来月ころから、新サービスや収益モデルをトライしたい考えだ。
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