ヤフーがなぜ今、Blogか
1月31日、「Yahoo!ブログ」β版がスタートした。周回遅れのスタートながら、テキスト無制限、画像2Gバイトという大容量を提供。ヤフーの強力なブランド力とあいまって、着実にユーザー数を伸ばしている。ヤフーはなぜ今になってBlogに参入したのか、ねらいを聞いた。
「遅かったねとよく言われる」――Yahoo!ブログ開発に携わった同社サービス統括部編集制作部企画室の河村康文プロデューサーは話す。大手ポータルが次々にBlog参入したのは2003年末から2004年初頭だが、同社がBlog参入を決めたのは2004年春。「結果的に最後発になってしまい、競合サービスと差別化できる機能を詰め込むのに時間がかかった」(河村プロデューサー)ため、今年に入ってやっとスタートできた。
もともとヤフーはBlog参入を焦る必要がなかった。他ポータルの多くは、自社ISPへの囲い込みツールとしてや、接続事業や広告事業以外からの収入源開拓のためBlog参入を競った(関連記事参照)。対するヤフーはグループの「Yahoo!BB」でADSLシェアは業界トップ。ヤフー本体も、オークションやEC、広告など多様な収入源があり、急いでBlogに参入する必要がなかった。また、グループが運営するWebサイト作成サービス「ジオシティーズ」は250万ユーザー(2004年12月現在)を抱え、Blogと競合する可能性もあった。
しかしBlogの急速な普及で、ヤフーにBlogを求めるユーザーの声が大きかった上、Blogは広告媒体としても期待でき、黒字運営が可能と判断。他サービスとの相乗効果も期待できると踏み、参入を決めた。
ジオシティーズと話し合い、競合しないよう検討した。「ヤフーのユーザーは多様でBlogだけではカバーしきれない。ホームページや日記向けサービスとしてジオは必要だ。昨年10月にスタートした『ジオログ』もホームページ用ツール。Blogではない」(河村プロデューサー)。例えば、ジオログはBlogに必須のトラックバックに非対応。あくまでホームページツールと位置づけ、今後もBlogと切り分けて提供する。
ギガバイトクラスに引き上げる横綱相撲
最後発の参入となったため、テキスト無制限・画像は合計2Gバイトまでと、無料サービスとしては十分な容量を備えた。システムは先行スタートしていたYahoo! KoreaのBlogシステムを採用。アンケート機能や、1クリックでトラックバックできる機能、コメントに絵文字を付けられる機能など、多様な機能を詰め込んだ。
人気は予想以上。開始初日だけで1万件以上の開設があり、アクセスが集中して一時システムがダウンした。ユーザー数は非公表だが、多い日で1万8000の新規開設があり、順調に増えているという。「今くらいの増加率をキープして業界トップになりたい」(河村プロデューサー)。
Yahoo!ブログの大容量化に対抗し、先行各社も相次いで容量を拡張した。livedoor BlogとSeesaaブログは無料版を2Gバイトに、gooブログは無料版を3Gバイトに拡張。Googleの1Gバイトメールサービス「Gmail」がきっかけとなって各社がメール容量を拡大したように(関連記事参照)、ヤフーのBlog参入は無料Blogの基本容量をメガバイトからギガバイトクラスに引き上げつつある。
広告で稼ぐ
「ヤフーは広告の会社」(河村プロデューサー)――収益は広告から得る計画で、有料版を主な収入源にする他ポータルのBlogと一線を画す。現在はトップページ右下と、各Blogページ下部に広告を掲載しているが「広告は拡大するかもしれない」(河村プロデューサー)。記事カテゴリーや記事内容に合った広告を掲載するといったアイデアも検討。まずはユーザーとPV(ページビュー)を増やし、広告媒体としての価値を高める。
有料サービスの提供は今のところ考えていないが、月額294円の「Yahoo!プレミアム」ユーザーや、Yahoo!BB会員なら付加機能が利用できたり、画像容量がアップするといった“特別待遇”は検討中だ。
同社の他サービスとの連携も進める。すでに「Yahoo!アバター」で作成したアバターを表示可能。「Yahoo!ショッピング」と連携したアフィリエイトも検討し、Blog経由で商品が購入されれば「Yahoo!ポイント」を進呈するといった仕組みを想定する。Yahoo!ニュースをトラックバックに対応させたり、Yahoo!掲示板に似たシステムをBlogで作る、といったアイデアもある。
新機能は、ユーザーニーズを見ながら順次追加する。近く、携帯電話からの閲覧や投稿を可能にする予定。Yahoo!サーファーがおすすめBlogを選んで紹介するコーナーもオープンを予定するほか、デザインテンプレートの追加も検討中。正式サービスは「今年中、できれば暑くなるまでくらいにスタートしたい」(河村プロデューサー)。
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