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30周年のビクターVHSビデオが「IEEEマイルストーン」に
電気・電子技術の歴史的業績を記念する「IEEEマイルストーン」に、今年で30周年を迎えたビクターVHSビデオが認定された。
IEEE(電気電子技術者学会)はこのほど、日本ビクターが開発したVHSビデオが、電気電子技術分野の発展に貢献した歴史的業績だとして「IEEEマイルストーン」に認定した。日本の技術の認定はシャープの電卓などに次いで6件目で、AV分野では初めて。
VHSビデオは1976年9月9日にビクターが初号機「HR-3300」を発表し、今年で30周年を迎えた。ベータマックスとの激しい規格争いを制して家庭用ビデオの標準となり、世界市場向けに生産された累計台数は9億台以上に上っている。
家庭用VHSビデオカセッター初号機「HR-3300」の当時の価格は25万6000円。「VHS」は、当初は記録方式を示す「Vertical Helical Scan」の略称だったが、後に「Video Home System」となった。VHSが世に出るまでの難産ぶり、その後のベータマックスとの激烈な戦いは多くの逸話を残した
IEEEマイルストーンは、電気・電子技術者の世界最大の学会であるIEEEが、技術と社会の両面で貢献した歴史的な業績を記念するため、1983年に制定した。ボルタの電池やマルコーニの無線電信など、今年までに世界で74件が認定され、日本からは八木アンテナ、富士山頂レーダー、東海道新幹線、セイコーのクオーツ時計、シャープの電卓が認められた。
10月11日には都内で授与式が開かれた。銘板を受け取った同社の寺田雅彦社長は「技術史に大きな位置を占めることになり、大変な名誉だ」と喜びを語り、「テレビ番組のタイムシフト視聴が生活の一部になり、映画を家で楽しめるようになるなど、VHSは映像情報時代の一大インフラを築いた。認定は『技術立社』のDNAを心に刻むまたとない機会だ」と話していた。
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