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「セカイカメラ」復活 フィルタ機能を強化
iPhone向け拡張現実(AR)アプリ「セカイカメラ v2.2.0」の配信が開始された。フィルタ機能を強化したほか、レスポンスの改善も図られている。
頓智ドットのiPhone向け拡張現実(AR)アプリ「セカイカメラ」の新バージョン「v2.2.0」の配信が開始された。
App Storeでは、3月4日に無線LANを活用する一部のアプリが一斉削除された。セカイカメラはクウジットの無線LAN位置測位技術「PlaceEngine」を利用しており、同技術の無線LAN電波情報の取得方法がAppleから問題視されたことで、削除の対象となっていた。新バージョンではひとまずPlaceEngineをアプリから取り除き、審査を通過した模様だ。なお、iPhoneは位置情報を取得するための標準のフレームワーク(Core Location)で米Skyhook Wirelessの無線LAN位置測位技術をサポートしており、新バージョンのセカイカメラでも無線LAN機能をオンにすることで位置精度の向上が見込まれる。
新バージョンの主な改善点は、フィルタ機能の強化とエアタグ表示の高速化。フィルタ機能に関しては、グルメ情報や物件情報などの「オーソライズドタグ」が種類ごとに表示できるようになった。エアタグ表示に関しては、カメラの向いている方向のエアタグから表示したり、エアタグの情報をキャッシングしたりすることで、レスポンスの改善を図っている。
主なアップデート内容
フィルタ機能の強化
- ユーザーの近くにあるオーソライズドタグの提供者が一覧表示され、どれかを選択することでその提供者のエアタグのみが表示される(従来のフィルタも利用可能)
エアタグの表示を高速化
- カメラの向いている方向のエアタグから表示する
- 周りにたくさんのタグがある場合は、表示に必要なエアタグの情報だけをダウンロードする
- ダウンロードしたエアタグの情報をキャッシングして通信量を低減し、移動時のエアタグの表示を高速化
- ダウンロードした画像データをキャッシングし、表示を高速化
- 生成したエアタグの画像をキャッシングし、表示を高速化
- エアタグの画像を生成している間もユーザの入力を調べることでレスポンスを改善
- エアタグの画像を生成している間にエアタグを投稿する場合に、一時的に生成を中断することでレスポンスを改善
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