「スマホ拡大しているが、ケータイも大きな市場」 au夏モデルは全機種防水
「スマートフォン市場は拡大しているが、ケータイも依然、大きな市場」――au夏モデルは全機種防水に対応するなどユーザービリティを高め、ケータイユーザーをつかみたい考えだ。
KDDIが5月17日に発表した携帯電話夏モデルは、全10機種で防水に対応したほか、ユーザーのキーの打ち方に合わせてキーパッドを付け替えられるモデルなどを用意。電波エリアの改善策も発表した。
「スマートフォン市場は拡大しているが、ケータイも依然、大きな市場」(増田和彦サービス・プロダクト本部長)――ケータイのユーザービリティを高めることで、市場の9割を占めるケータイユーザーの支持を得る狙いだ。
残り1割、スマートフォンの需要は、既に発表した「IS series」2機種で対応。Android端末「IS01」にはワンセグ機能や赤外線通信機能を搭載するなど、日本のケータイユーザーに合った「日本市場向けスマートフォン」として訴求していく。
スマートフォン市場の拡大につれ、ハイエンド携帯市場が縮小傾向にある。増田本部長は「ハイエンド機種は一定量、スマートフォンに移行していくだろう」と認めながらも、「どういう形で市場が置き換わるかや、ハイエンドケータイ市場がどう残るかなど検討を進めている」とし、ケータイとスマートフォンのバランスについてはまだ検討段階と話す。
「スマートフォンも中長期的にはハイエンド機種だけではなくなるだろう。フルタッチのスマートフォンは入力しにくいという声があるのも事実。今後、ケータイと住み分けていき、最終的にはユーザーが判断するだろう」
Snapdragon搭載「KCP 3.0」モデルは2機種
ハイエンドモデル「BRAVIA Phone S004」「REGZA Phone T004」に、スマートフォンでも多く採用されている1GHzCPU搭載チップセット「Snapdragon」を採用した新プラットフォーム「KCP 3.0」を搭載。処理速度を高速化した。両機種は新サービス「au Wi-Fi WINカード」に対応。microSDスロットに専用カードを挿入すると、au専用Wi-Fiサービス「Wi-Fi WIN」を利用できるようになる。
13メガカメラを搭載した「EXILIMケータイ CA005」や、スライド型で12.1メガカメラを備えた「Cyber-shotケータイ S003」など写真撮影の品質にこだわった機種も展開。ソーラーパネルの発電効率を高めた「SOLAR PHONE SH007」や、防水・防塵に対応した「簡単ケータイ K005」もラインアップした。
全機種に3000種類の絵文字を搭載するなど、コンテンツやサービスも拡充。ARアプリとして、KDDIのAR技術とセカイカメラ、Twitterを組み合わせた「セカイカメラZOOM」も6月から提供する予定だ。
電波改善要望を受け付ける「みんなでつくろう!auエリア」で7月1日から、自宅用の小型基地局「auフェムトセル」の提供をスタートするほか、ユーザー宅で電波の改善要望を受けた場合、原則48時間以内に担当者が訪問調査の連絡をする。ゴルフ場など商業施設での電波環境も改善する。
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