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エジプトのネット遮断、経済損失は9000万ドル以上――OECD
エジプトが5日間にわたって行ったネット遮断は、推定で9000万ドルの直接的な損失をもたらした。実際の損失はもっと多額に上るだろう。
先週エジプトが国内のインターネット接続を5日にわたってほぼ全面的に遮断したことで、推定で少なくとも9000万ドルの直接的な損失が発生したと、経済協力開発機構(OECD)が報告している。
この金額は通信およびインターネットサービスの遮断による売り上げ逸失を推算したもの。1日当たりの損失は約1800万ドルで、1年続けばGDP(国内総生産)の3〜4%に及ぶという。ただしこの推定値には、電子商取引、旅行、コールセンターなどのサービス停止といった二次的な影響は含まれておらず、実際の経済的損失はもっと多額に上る可能性が高い。
エジプトではITサービスやアウトソーシングセクターが成長しており、2010年のITアウトソーシング(コールセンター、ヘルプデスクなど)業界の売上高は10億ドルに達するという。今回のネット遮断で、国外企業がエジプトへのアウトソーシング計画を考え直す可能性もあるとOECDは述べている。
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