“ポストPC時代”はPCの死ではない――米Forrester予測
タブレット端末がいかに台頭してもPCが絶滅することはなく、コンピューティング体験はより身近でカジュアルなものになっていくとForresterは予測する。
“ポストPC(PC後)時代”はPCの絶滅を意味するのではなく、コンピューティング体験がユビキタスに、カジュアルに、身近になるソーシャルで技術的な時代のことだ――。米調査会社Forrester Researchのアナリスト、サラ・ロットマン・エップス氏がPCの今後に関する展望を語った。
Forresterは1月に、2015年には米国の消費者の3人に1人に当たる8200万人がタブレットを利用するようになるという予測を発表している。この時点でのノートPC所有者数はそれを上回る1億4000万人と予測しているが、コンピューティング体験の質が以下のように変化するという。
静から動へ
デスクトップPCでの固定された体験から、スマートフォンやタブレットによる「いつでも・どこでも」使えるユビキタスな体験に変化する。端末に搭載された加速度計、ジャイロスコープ、位置情報取得機能がこうした体験を支援する。
フォーマルからカジュアルへ
PCは意識的に起動し、シャットダウンするものだが、スマートフォンやタブレットは電源を入れたまま(スリープ状態から)すぐに起動できるため、行列での順番待ちやテレビ視聴時などでの「ながら」利用が増える。
より物理的に身近に
デスクトップPCは手を伸ばして触れる距離にあるものだが、ノートPC、Netbook、タブレットは物理的にもっと身近なものだ。ユーザーがこれらの端末を家庭で使う場合、最も多いのはリビングルームで、次は寝室となっている。
抽象的操作から身体的操作へ
マウスやキーボードによる操作は抽象的なものだが、スマートフォンやタブレットのタッチスクリーンでの操作は一般的な操作により近い。米MicrosoftのXbox 360向けセンサー端末Kinectによる操作は、この方向をさらに進めたものだ。
こうしたコンピューティング体験の変化はSDD、Wi-Fiや携帯ネットワーク、クラウドサービスに支えられ、ソーシャルネットワーキングをさらに発展させていくとロットマン・エップス氏は説明する。仕事とプライベートの境が曖昧になるにつれ、仕事でもプライベートでも使える端末への需要が高まると指摘している。
ポストPC時代でもPCは生き続け、米Appleの新型MacBook AIRや韓国のSamsung製Series 9がその方向を示していると同氏は言う。PCは死なないがスマートフォンやタブレットがPCの役割を侵食し、Kinectのような装着式周辺機器が台頭するという。
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