Windows 8は授業で使えるか マイクロソフトがモデル授業を公開
「Windows 8」搭載タブレットPCを活用したモデル授業を日本マイクロソフトが公開。初めてWindows 8に触れた高校生への授業の様子をレポートする。
日本マイクロソフトは11月13日、「Windows 8」搭載タブレットPCを活用したモデル授業を報道向けに公開した。授業に参加した高校生たちは、初めて触れる新OSのタッチインタフェースに驚きつつ“IT授業”を楽しんでいた。
授業は群馬県立前橋高校の生徒をマイクロソフト本社(東京・品川)に招いて実施した。前半ではマイクロソフト社員によるWindows 8の基本レクチャーが行われ、生徒はタッチ操作やWindows 8で導入された「ピクチャーパスワード」の解除といった基本操作を学んだ。
続いて同社教育部門のインストラクターによる理科の授業。生徒1人1人に「Office OneNote」を使って手書きで「金星の満ち欠け」についての図を書いてもらい、全員のノートをクラウド上で共有して教室前方のディスプレイに映し出すと、生徒たちは互いの解答を興味深げに見つめていた。
このほかOneNoteの録画機能を使って理科実験の様子をビデオ撮影したり、最後に教科書を使って答え合わせしたりと、楽しそうな雰囲気の中で授業は終了した。参加した2年生の男子生徒は「Windows 8に慣れていなかったので最初は難しく感じたが、タッチで操作できるのが直観的でいいと思った。今後このような授業があったらまた受けたい」と話していた。
“IT教育”はいまだ未知数、マイクロソフトがモデルケースを
今回のモデル授業は、マイクロソフトが同日発表した教育向け新施策「Microsoft YouthSpark」の一環として実施した。同社はこれまでも中学校で「IT授業」を実施したり、障害者向け受験支援ソフトを開発したりと、ITを使った教育支援に取り組んできた。新施策ではこれらの取り組みを一層強化していくという。
具体的には、これまで別々に行ってきた「(若年層や障害者向けの)就業・就学支援」「教育支援」「起業支援」といった取り組みを一本化。従来の施策をブラッシュアップするほか、学生向けのWindows 8アプリの開発コンテストといった新たな施策も展開していくという。
タブレットPCを使った授業の提案も新施策の1つだ。日本マイクロソフトの中川哲 業務執行役員 文教本部長によると「タブレットPCを使った授業は、チョークや黒板を使った従来型の授業と違ってまだ“正解”がない状況」という。こうした中、マイクロソフトが自らタブレットPCを使ったモデル授業を提案していくことで、教育分野でのWindows 8の活用を推進したい考えだ。
12月から順次、教育委員会や小中高校の教職員向けにも今回のモデル授業を公開していくという。中川執行役員は「タブレットPCを使うとどのようなシナリオで授業ができるのか、教育関係者向けにテンプレートを提供したい」と話している。
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