Alphabet(Googleの持ち株会社)、“その他”事業の営業損失が36億ドルでも増収増益
Googleを傘下に持つAlphabetの10〜12月期の売上高は18%増の約214億ドル、純利益は5%増の約49億ドルだった。同四半期からGoogleと“その他”の内訳が発表されており、自動運転車などを含むその他の営業損失が約36億ドルであることが明らかになった。
Googleを傘下に持つ米Alphabetは2月1日(現地時間)、第4四半期(10〜12月)の決算を発表した。AlphabetはGoogleが組織再編で設立した持ち株会社で、同四半期からGoogleとその他の傘下企業の売上高を分けて開示する。
Alphabet全体の売上高は前年同期比18%増の213億2900万ドル、純利益は5%増の49億2300万ドル(1株当たり7.06ドル、非GAAPベースでは8.76ドル)だった。売上高、非GAAPベースの純利益ともに、アナリスト予測(売上高が207億6000万ドル、1株当たり純利益は8.10ドル)を大幅に上回った。
決算発表後、同社の時価総額は5680億ドルとなり、米Appleの約5350億ドルを上回って米企業として最大になった。
Googleの売上高は前年同期比18%増の211億7800万ドルで、全体の99%を占めた。営業利益は30%増の67億7200万ドル。提携企業に支払う手数料(TAC)を除く実質的な広告からの売上高は17%増の190億7800万ドルだった。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は31%増加。モバイル端末の普及とYouTubeのTrueView広告の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は13%のマイナスだった。
その他の売上高は26%増の4億4800万ドル、営業損失は35億6000万ドルだった。前年同期の営業損失は19億ドル。Google Fiberの設備投資が大きかった。AlphabetおよびGoogleのCFO(最高財務責任者)、ルース・ポラット氏は業績発表後の電話会見で、「われわれはまだ長い旅を始めたばかりだ。長期的な売り上げを創出する新たな事業を構築するために懸命に働いている」と語った。
Googleに含まれる事業は、検索、広告、Googleマップ、YouTube、アプリ、クラウドサービス、Android、Chrome、Google Play、ハードウェア(Chromecast、Chromebook、Nexusなど)、技術インフラ、VR(仮想現実)事業。「その他」にはGoogle Fiber、Calico、Nest、Verily(旧Google Life Sciences)、GV(旧Google Ventures)、Google Capital、X(旧Google [X])が含まれる。
通年では、Googleの売上高は14%増の745億4100万ドル、営業利益は32%増の234億2500万ドル、その他の売上高は37%増の4億4800万ドル、営業損失は35億6700万ドルだった。
ポラット氏は発表文で、「第4四半期の力強い業績は、長年投資してきたモバイル検索、YouTube、広告サービスによるものだ。Googleとその他の事業で何十億人もの人々の生活を向上させる技術を駆使できることに興奮している」と語った。
サンダー・ピチャイCEOは電話会見で、Gmailのユーザー数が10億人を超えたと語った。Google検索、Android、マップ、Chrome、YouTube、Google Playのユーザーもそれぞれ10億人を超えている。
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