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一瞬より少し長く、目を奪いたい 稚野まちこさん教えて! 絵師さん

女の子が可愛いのは“当たり前”、もう一瞬長く、見ている人の目を奪うために――稚野まちこさんの世界はイラストだけでなく漫画にも広がっています。

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モントシャインのゆりかご(クリックでpixivへ)

クリエイター:稚野まちこ

Webサイト:charmant

pixiv:稚野まちこ

Twitter:@CHINO_MACHICO

 初めてイラストを描いたのは小学生の頃です。少女漫画が好きな母の影響で、小さい頃から漫画やイラストを身近に感じていました。

 同人誌を作ったり、Webでの公開を目的にイラストを描いたりするようになったのは高校生になってからです。携帯サイトを開設して、描いたものを人に見てもらう環境を作りました。今でも「携帯サイトの頃からあなたを知っている」と言ってもらえることが時々あるので、あの頃に自分のサイトという場所を作って、頑張って描いたら人に見てもらう! という意識を持つようになったのは本当によかったと思っています。

 現在はpixivやTwitterで作品を公開したり、本を作ってイベントに参加したりしています。少し前までは趣味半分、仕事半分という感じだったのですが、現在は仕事として漫画を描かせていただいてます。趣味でやっていたことの一部がそのまま仕事になってしまったので、今どの作業を優先しなければいけないか? という判断ができなくなってしまう瞬間があって、頭の中が忙しいです。

 制作ソフトはSAI、Webに投稿する際の加工にPaintgraphicを使っています。Paintgraphicは安価ですが高性能な画像編集ソフトで、高校生の頃から使っています。ペンタブレットはIntuos。液晶タブレットにも興味はあるのですが、しばらくは板タブでいいかなあと思っています。作業しているデスクには好きな作家さんの本や、資料のための写真集、読み返して元気になるために自分が過去に作った本を置いています。

 3日間寝ないで作業した! と思えば、3日間何もできなかった……ということもあり、かなり制作ペースにむらがありますが、ほぼ毎日「絵を描くぞ〜」という姿勢でパソコンに向かっています。自分がどんな状態の時でもとりあえず絵を描いていたいのですが難しいです。

 絵を見てくださった方からよく「少し毒のある感じ」「ダークな感じ」といったご感想をいただくのですが、どちらかと言えば暗い雰囲気のものは苦手なので、自分ではあまり意識していません。色のついた女の子が笑っていたら可愛いのは当たり前なので、それだけではない絵を描きたいなあという気持ちはあります。あれ? となって一瞬よりも長い時間見ていてもらえるような、何かを探してもらえるような絵が描きたいです。

 「妖精の味」を制作した時のように「これはイラストじゃなくて漫画じゃないと伝わらない!」と感じて漫画に発展させたり、過去に制作した漫画からイラスト本を制作したりと、表現したいものに合わせて絵と漫画とで表現方法を切り替えることができるのが自分の好きなところです。

 多感な時期に読み込んだ漫画や、触れた作品すべてから影響を受けていると思います。高橋留美子先生、okama先生、それから母の影響で萩尾望都先生の作品に小さい頃から触れていました。好きな音楽のMVや映画など、挙げだしたらきりがないと思います。

 描いたものの感想をいただくのはもちろん、自分ではできない方法で自分の創作を表現して返してもらえた時もとてもうれしいです。自分のオリジナルキャラクターのコスプレをしてくださったり、漫画に出てくる小物を実際に作ってくださった方にお写真をいただいた時は感動しました。描いたものや作ったキャラクターが見てくださった方の心のどこかに少しでも残ることができたんだなと分かった瞬間が1番うれしいです。

教えて! 自慢の1枚

モントシャインのゆりかご

 デスクトップPCに買い換えて、モニターも大きくなった環境で最初に描いた絵です。大きなサイズで絵が描けるのがうれしくて大きなサイズで描きました。

 描かれている女の子は数年前から何度も描いているオリジナルキャラクターで、見ているとフリルやレースを思い切り描けてうれしかった気持ちがよみがえります。

妖精の味

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 描いている途中でストーリーが思い浮かんで、この絵を描き終わってから同じタイトルの漫画を1冊作りました。きらきら、むちむち、花とフリルと魔女の帽子――など、自分が好きな要素をたくさん入れることができました。

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