Facebook、“意義ある”ヌードや暴力画像であれば掲載認める方針に:「ナパーム弾の少女」問題から約1カ月
歴史的反戦写真「ナパーム弾の少女」をヌードだとして削除(後に復活)した問題から約1カ月後、Facebookは「コミュニティ規定」に反するコンテンツであっても、報道価値があったり、公共の利益にとって重要であれば表示を認める方針を発表した。
米Facebookは10月21日(現地時間)、たとえ「コミュニティ規定」に反するものであっても、報道価値があったり、公共の利益にとって重要なコンテンツであれば、公開を許容していくと発表した。向こう数週間中に実施する。
同社は9月、ページに投稿された「ナパーム弾の少女」として知られる歴史的反戦写真を、裸の少女が写っているからという理由で削除し、それに抗議したユーザーを24時間投稿停止にしたことで物議を醸した。
Facebookは最終的には停止したアカウントを再開させ、写真も復活させた。その段階では、「このケースに関してはコミュニティ規定の解釈を見直した」としていたが、今後他のケースにも適用していくことになる。
Facebookは、スウェーデンの非営利団体「Swedish Cancer Society」が乳がん早期発見キャンペーンで用いた胸部のイラストもコミュニティ規定に違反するとして非表示にした。同団体が20日、Facebookに対する抗議書簡を公開し、多数のメディアがこれを取り上げた後、Facebookは謝罪した(本稿執筆現在、イラストは復活していない)。
Facebookは、“意義がある”かどうかの判断基準や、その判断をどのように行うかについては明記していない。「この取り組みをどのように行うかについては、新たなツールや実施方法を含め、今後Facebookコミュニティおよびパートナーとともに検討していく」という。
関連記事
- Facebook、「ナパーム弾の少女」を“ヌード”だとして削除(抗議を受け復活)
Facebookが、大手新聞社の記者が自身のページに投稿した歴史的反戦写真「ナパーム弾の少女」を「コミュニティ規定」に反するとして削除し、物議を醸した後復活させた。新聞社の編集長はザッカーバーグCEO宛の公開書簡で「ジャーナリストの権利と義務は、Facebookのアルゴリズムによって傷つけられるべきではない」と抗議した。 - Facebook、広告主への数値一部誤報について謝罪
Facebookが、広告主に報告してきた過去2年間の平均動画視聴時間が実際より多かったとして謝罪した。計算方法にミスがあったとし、既に修正済みという。 - Facebook、“偏重”を指摘された「Trending Topic」をほぼ自動化へ
Facebookが、5月に「政治的な偏重がある」と指摘された米国でのサービス「Trending Topic」のトピック選択への人間による介入を減らし、スタッフが追加していた概要も止めると発表した。 - Facebook、「ライブ動画」非表示のガイドラインを説明──黒人射殺動画を残した理由も
白人警官の黒人射殺ライブ動画が物議を醸す中、Facebookがライブ動画のガイドラインについて説明した。同じ暴力シーンを含むコンテンツでも、目的によっては削除しないとしている。 - Facebook、政治的“偏向”の報道を否定 「事実という証拠はない」
米Facebookが、「Trending Topics」から保守系の政治記事を排除しているとの一部報道に対し「匿名の発言が事実という証拠はない」と反論した。 - Facebook、「コミュニティ規定」を更新 削除対象を具体的に説明
Facebookが、いじめやわいせつ画像の投稿など、どのようなアクティビティが削除の対象になるのかをより具体的に説明するために「コミュニティ規定」を更新した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.