Facebook、虚偽ニュース対策で「Trending」を改善
Facebookが、サービス上での虚偽ニュース拡散対策の一環として、「Trending」(Twitterの「トレンド」のようなサービス)を改善した。トピックの記事元を明示し、ユーザーごとのパーソナライズをやめる。
米Facebookは1月25日(現地時間)、「Trending」(旧Trending Topic)を改善したと発表した。
Trendingは、同社が2014年1月から提供している、米Twitterの「トレンド」に似たサービス。Facebook上で話題になっているトピックのリストをニュースフィードの右上に表示するもので、一部の地域(日本は対象外)で提供している。
Trendingに表示されるトピックについて、昨年5月に政治的に偏向しているという批判が高まり、8月にアルゴリズムによる完全自動化に移行した。その後、大統領選の結果にFacebook上で拡散した虚偽ニュースが大きな影響を与えたという批判もあり、同社は現在、サービス全体での虚偽ニュース対策に取り組んでいる。
今回の改善は、こうした虚偽ニュース対策の一環といえる。
まず、8月の改善後にリクエストが多かった、トピックの表示に記事のタイトルとその記事の掲載元のメディア名を明示するようにした。ユーザーはメディア名を見ることで、記事が自分が信頼するメディアのものかどうか判断できる。
また、従来はFacebook上で注目されている1つの記事をトピックとして取り上げてきたが、今後は同じトピックを複数のメディアが取り上げているかどうかも採用基準に取り入れる。これにより、従来より迅速に話題のトピックを掲載できるとしている。複数のメディアが取り上げていれば、その記事が虚偽である可能性も低くなるだろう。
さらに、これまではTrendingに表示するトピックはユーザーごとにパーソナライズされていたが、今後は同じ地域のユーザーには同じトピックを表示するようになる。これにより、いわゆる「フィルターバブル」問題を軽減できそうだ。
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