Facebook、32の不正アカウントやページを閉鎖「これは悪人との軍拡競争だ」
米中間選挙を前にロシアによる介入の懸念が高まる中、Facebookが不正な組織的行為を理由に32のページやアカウントを閉鎖したと発表した。ロシアとのつながりの決定的証拠はないとしている。
米Facebookは7月31日(現地時間)、FacebookおよびInstagramから32件のページおよびアカウントを閉鎖したと発表した。これらのページとアカウントが、世論を操作するような組織的で不正確な行動をとっていたためとしている。
これらのアカウントには、以前削除したロシア疑惑関連アカウントほどの明らかな証拠はないが、ロシアとの関連の可能性があるという。
Facebookは昨年、ロシア政府が広告企業Internet Research Agency(IRA)を通じてFacebookを利用して2016年の米大統領選に介入したという批判を受け、自社での調査結果としてIRAの広告を1000万人が見たと発表。IRAのような「バッドアクター(悪質な行動をする人々)」対策に取り組むと約束した。
「われわれは、これらのアカウントやページの主催者が誰なのかを含めてすべての事実を把握しているわけではない。(中略)それが誰であれ、かつてのIRAよりも身元を隠す技術が高度になっている。(中略)われわれは、決してあきらめず、戦略を変え続ける資金豊かな敵を相手にしている。これはそうした敵との軍拡競争であり、われわれも強化していかなければならない」(Facebook)
閉鎖したページの中には29万人以上が「いいね!」しているものもあり、これらのページは約150点の広告を、総額1万1000ドルで出広していた。
こうしたページの1つ「Resisters」は8月10日にワシントンで予定されている白人至上主義団体によるデモ行進(こちらは正規)に対抗するイベントを企画していた。このイベントには2600人のユーザーが「興味がある」とし、600人のユーザーが参加を表明していた。
FacebookはRegistersのページ閉鎖とともにこのイベントも削除し、興味があるあるいは参加するとしていたユーザーに以下のような通知を送った。
同社は今後も引き続きバッドアクター対策を強化し、議会や政府、ユーザーと情報を共有していくとしている。米国では11月に中間選挙があり、ロシアがまた介入するのではないかという懸念が高まっている。
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