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ティム・バーナーズ=リー氏、Webの“誤用”を阻止する「Contract for Web」発表 Google、Facebookらがサポート
“Webの父”、サー・ティム・バーナーズ=リー氏が、政府や企業によるWebの誤用を阻止するための「Contract for Web」を発表した。9原則から成るこの契約の作成には、GoogleやMicrosoftが協力し、FacebookやTwitterもサポーターに名を連ねる。
World Wide Web(WWW)を考案し、“Webの父”とも呼ばれるサー・ティム・バーナーズ=リー氏(64)は11月25日(現地時間)、政府、企業、個人によるWebの“誤用”を阻止するための「Contract for Web」を発表した。
本稿執筆現在、企業としてはGoogle、Facebook、Microsoft、Twitter、Redditなど150社以上がサポーターとして名を連ねている(記事末にロゴ一覧を転載した)。
バーナーズ=リー氏は声明文で「Webを悪用し、分裂させ、弱体化させようとする人々を阻止するために今すぐ団結して行動しなければ、阻止できなくなる危険がある」と語った。
FAQによると、Contract for Webは「人権に根ざした共通のコミットメントの下、政府、企業、市民団体など、Webの未来を形成するグループを団結させ、よりよいWeb構築に必要な具体的な行動を規定する」という。Contractの作成には、仏、独政府、Wikimedia、Web Foundation、Google、Microsoftなどが協力した。
Contractは、以下の9原則を掲げる。
- 原則1 誰もがインターネットに接続できるようにする
- 原則2 すべてのインターネットを常に利用可能にする
- 原則3 人々の基本的なオンラインプライバシーとデータの権利を尊重して保護する
- 原則4 インターネットを手頃な価格で、誰もがアクセスできるようにする
- 原則5 人々のプライバシーと個人データを尊重して保護し、オンラインの信頼を構築する
- 原則6 人類の最善の部分を支え、最悪の部分に対処する技術を開発する
- 原則7 Webの作成者かつ協力者になる
- 原則8 人々の言葉と人間の尊厳を尊重する強力なコミュニティを構築する
- 原則9 Webのために戦う
以下は本稿執筆現在、支持を表明している企業一覧だ。Apple、Amazonは参加していない。
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「WWWは歴史上最も大きなコンピューティングの革新の一つだ」と評価している。
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