Alphabet決算は増収増益だがGoogleの広告事業は「3月に大幅に鈍化」
Googleを傘下に持つAlphabetの1〜3月期の決算は売上高は13%増、純利益は3%増で、純利益はアナリスト予測を下回った。新型コロナの影響で「3月に広告収益が大幅に鈍化した」とCFOが語った。
Googleを傘下に持つ米Alphabetは4月28日(現地時間)、2020年第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は、前年同期比13%増の411億5900万ドル、純利益は3%増の68億3600万ドル(非GAAPベースの1株当たり純利益は9ドル87セント)だった。
売上高はアナリスト予測の402億9000万ドルを上回ったが、1株当たり純利益は予測の10ドル33セントに届かなかった。
新型コロナウイルス感染症の影響で同社収益のほとんどを占める広告の市場が衰退した。ルース・ポラットCFO(最高財務責任者)は発表文で「第1四半期の最初の2カ月の業績は好調だったが、(新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化した)3月に広告収益が大幅に鈍化した」と語った。
スンダー・ピチャイCEOは発表文で「多数の人々が直面している課題の深刻さを考えると、そうした人々を支援できていることはAlphabetにとって非常に光栄なことだ。人々はかつてなくGoogleのサービスを頼ってくれている。われわれはこの緊急事態に対処するため、リソースと製品を集中させている」と語った。
ピチャイ氏は新型コロナの影響の例を幾つか挙げた。
- 米国でのウイルス関連の検索が(米国で検索が急上昇する)スーパーボウルのピーク時の4倍に
- AndroidアプリのGoogle Playストアからのダウンロードが2月から3月にかけて30%増加
- Chromebookの需要が3月21日の週に400%増加
- Google Meetの新規ユーザーが急増し、1日当たりのミーティング数は1億件以上
主力の広告事業についてはピチャイ氏も「3月に急激に、大幅に減速した」と語った。新型コロナウイルスの影響で幾つかの広告サービスの立ち上げを遅らせ、広告主や小規模事業主のサポートに集中したとしている。
ハードウェア事業については、「Android 11」のプレビューを公開したことに触れ、“月間アクティブ端末”が25億台を超えたと語った。また、ハードウェアの売り上げは新型コロナの影響で減速しているが、「昨日発売したPixel Budsを含む今年の製品ロードマップを楽しみにしている」という。
Googleの売上高は14%増の409億7500万ドル。Google検索、YouTubeその他の広告全体の売上高は10%増の337億6300万ドル、前四半期から新たに開示されるようになったYouTube広告は33%増の40億3800万ドル。Google Cloudは52%増の27億7700万ドルだった。YouTubeの広告以外の収入とPixelなどのハードウェアを含む「Googleその他」の売上高は23%増の44億3500万ドルだった。
Alphabetのムーンショット部門のAccess/Fiber、Calico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Loon、Wing、Xなどをまとめた「その他」の売上高は21%減の1億3500万ドル、営業損失は11億2100万ドル。前年同期の営業損失は8億6800万ドルだった。
同社は業績発表で次四半期の予測を示さない習慣だが、「われわれの広告事業にとって第2四半期は困難なものになるだろう」とポラット氏は語った。
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