Microsoft決算は増収減益 “巣ごもり需要”でXbox売上高が64%増、Surfaceも好調
Microsoftの4〜6月期決算は、売上高は13%増、純利益は15%減でいずれも予測を上回った。コロナ禍による“巣ごもり需要”でOffice 365、Xbox、Surfaceが好調だった。
米Microsoftが7月22日(現地時間)に発表した第4四半期(2020年4〜6月期)の決算は、売上高は13%増の380億ドル、純利益は15%減の108億ドル(1株当たり1ドル46セント)だった。コロナ禍による“巣ごもり需要”で、XboxとSurfaceが好調だった。
売上高、純利益ともにアナリスト予測(売上高は365億ドル、1株当たりの純利益は1ドル34セント)を上回った。
新型コロナウイルス感染症対策でユーザーが自宅で仕事や学習をする状態が続くにつれてクラウドの需要が増加し、WindowsのOEM、Surface、ゲーム事業の需要が伸びたが、中小企業のライセンス契約が鈍化し、傘下のLinkedInは雇用市場の鈍化と広告の減少によって悪影響を受けたと説明した。
サティア・ナデラCEOは発表文で「(コロナ禍の)過去5カ月で、テクノロジーの強度がビジネス回復力の鍵であることが明らかになった。デジタル化を確立している企業ほど、この危機から早く確実に脱出できるだろう。Microsoftは統合された最新テクノロジーを備える唯一の企業として、企業が顧客ニーズへの対応を再考するのを支援していく」と語った。
Azureやサーバー製品を担うIntelligent Cloud部門全体の売上高は17%増の133億7000万ドルだった。Azureの売上高は47%増。前期は59%増だった。
OfficeやLinkedIn、Dynamicsを扱うProductivity and Business Processes部門の売上高は6%増の117億5000万ドルだった。企業向けOffice 365の売上高は19%増、コンシューマー向けOffice 365のサブスクリプション数は23%増の4270万人だった。クラウドではない方のOfficeの売上高は34%減だった。LinkedInの売上高は10%増。LinkedInは21日、960人のリストラを発表した。
Windows、ハードウェア、Xbox、検索のMore Personal Computing部門の売上高は14%増の129億1000万ドルだった。Xboxのコンテンツとサービスの売上高が65%増と好調。Surfaceも28%増だった。検索(Bing)の売上高は広告減少で18%減。また、すべてのMicrosoft Storeの実店舗を閉鎖したため、営業コストが10%増加した。
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