トランプ大統領の「コロナは大したことない」投稿、Facebookが削除、Twitterは非表示に
新型コロナから完治しないまま退院したドナルド・トランプ米大統領の1件の投稿を、Facebookが新型コロナの虚偽情報に関するルールに反したとして削除した。Twitterは同じ投稿を非表示にした。内容は、新型コロナは死に至る病気ではないというものだ。
ドナルド・トランプ米大統領が10月6日の朝(現地時間)に投稿した新型コロナウイルスに関する投稿を、米Facebookは削除し、米Twitterは「COVID-19に関連する誤解を招く可能性のある有害な情報」であるとしてラベルを付けて非表示にした。
同氏は新型コロナウイルス感染症で入院し、完治しないまま退院した後、米大統領選に向けてFacebookとTwitterで精力的に投稿を続けている。
問題の投稿は、「インフルエンザの季節が近づいている! 毎年多くの人が、時には10万人以上が、ワクチンにもかかわらず、インフルエンザで亡くなっている。だからといってわれわれは国を閉鎖するのか? いいや、われわれはインフルエンザとともに暮らすことを学んだ。同様に、今われわれは新型コロナとともに暮らすことを学んでいる。新型コロナは、ほとんどの人にとって死に至る病気ではない!!!」というものだ。
Facebookが同じ投稿を削除したことは、同社が米CNNなどに対してこれを認めた。Facebookも、この投稿が新型コロナの虚偽情報に関するルールに反したためと説明した。
トランプ氏の投稿からは、新型コロナの危険性はインフルエンザと同程度だと受け取られる可能性がある。少なくとも新型コロナの感染状況に詳しい米ジョンズ・ホプキンス大学は、死亡率はインフルエンザの10倍以上とみている。
トランプ氏は問題の投稿の約5時間後、投稿が削除・非表示されたことに対してなのか、「セクション230の撤廃だ!!!」とFacebookとTwitterに投稿した。
セクション230とは、1996年制定のCommunications Decency Act(通信品位法)第230条を指す。FacebookやTwitterのようなSNSは、この条項によりプラットフォーム上の投稿について責任を問われないが、現在この条項の改定案が議会に提出されている。この改定案が通れば、例えばユーザーのコンテンツを削除した場合、提訴される可能性がある。
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