トランプ政権、Googleから企業秘密を窃盗した元Uber幹部やCAスキャンダルのバノン氏らに恩赦
トランプ前米大統領政権は、トランプ氏退任直前、73人に恩赦を与えた。その中には、Googleから自動運転関連の企業秘密を盗みUberに渡したとして実刑判決を受けたアンソニー・レヴァンドフスキー氏や、トランプ氏の大統領選チームのCEOを務め、CAの選挙操作ツールを採用したと報じられるスティーブ・バノン氏が含まれる。
米国のドナルド・トランプ前大統領政権は1月20日(現地時間)、トランプ氏退任の前に、73人に恩赦を与え、70人を減刑したと発表した。
恩赦を与えた中には、米Googleおよび米Uberの元幹部で、米Alphabet傘下のWaymoから自動運転関連の企業秘密を盗んだとして実刑判決を受けたアンソニー・レヴァンドフスキー氏が含まれる。
プレスリリースによると、この恩赦はピーター・ティール氏やパルマー・ラッキー氏などが強く支持したという。
レヴァンドフスキー氏は2007年から約9年間Googleでソフトウェアエンジニアを務めた後、自動運転技術を手掛けるOTTOを立ち上げ、Uberによる買収で2016年に同社入りした。Googleからスピンアウトした自動運転企業Waymoは2017年、レヴァンドウスキー氏が退社前に大量の機密情報をダウンロードしたとしてOTTOを起訴した。
恩赦を受けたレヴァンドフスキー氏は「公益のために自身の才能を捧げる計画を立てている」という。
トランプ大統領の選挙対策本部のCEOを務めたスティーブ・バノン氏も恩赦を受けた。同氏はトランプ氏当選後、政権入りもしたが翌年解任され、2020年8月に詐欺容疑で逮捕された。同氏は大統領選中、米Facebookの個人情報を不正に流用したCambridge Analytica(CA)に「投票者の行動に影響を与えるツール」開発のための資金を提供したと報じられている。
恩赦のプレスリリースにはバノン氏の評価として「政治的洞察力で知られる保守運動の重要なリーダー」と書かれている。
関連記事
- 元Uber幹部をGoogleからの企業秘密窃盗で米司法当局が起訴
元Googleのエンジニアで自動運転企業OTTOを立ち上げ、Uber入りしたアントニー・レヴァンドウスキ氏が、米司法当局に自動運転関連の企業秘密窃盗の疑いで起訴された。有罪になれば最大10年の禁固刑と25万ドルの罰金が科される可能性がある。 - Uber、Google系列Waymoとの特許訴訟で和解 2億4500万ドル支払い
Uberが買収した自動運転トラック企業OttoのCEOがGoogle(後のWaymo)退社時に自動運転技術情報を持ち出したとしてWaymoがUberを提訴していた訴訟が和解に達した。 - Waymoに提訴された元OTTOのCEO、「自動運転でのアメリカ横断に成功」
Google系列のWaymoから自動運転技術を盗んだとして提訴されたUber傘下のOTTOの創業者、アントニー・レヴァンドウスキ氏が、新たに立ち上げた企業Prontoの自動運転システムで、人の介入なしの自動運転だけでのアメリカ大陸横断に成功したと発表した。 - Facebookの5000万人の個人情報、トランプ陣営が不正利用か
Facebookのユーザー、約5000万人の個人情報を、2016年の米大統領選でドナルド・トランプ陣営がキャンペーンに利用していたとNew York TimesとGuardianが報じ、波紋を呼んでいる。Facebookは記事が出る前日、復数の関係者アカウントを停止したと発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.