遠隔操作ロボが接客、コーヒーも入れるカフェ 常設店が6月オープン 障害者の就労支援に
ロボット事業を手掛けるオリィ研究所は、外出・移動が困難な人がロボットを遠隔操作して接客する「分身ロボットカフェDAWNver.β」の常設店を21日にオープンすると発表した。
ロボット事業を手掛けるオリィ研究所(東京都中央区)は6月7日、病気や障害で外出・移動が困難な人がロボットを遠隔操作して接客する「分身ロボットカフェDAWNver.β」の常設店を21日にオープンすると発表した。「これまで就労を諦めていた人たちが社会で働ける方法を開拓する」(同社)という。
オフィスビル「日本橋ライフサイエンスビルディング3」(中央区)の1階にオープン。A、B、Cの3エリアに分かれており、それぞれ別の料理やサービスを提供する。
Aエリアでは、同社が開発したロボット「OriHime」や「OriHime-D」を活用。遠隔地にいるスタッフがロボットを操作し、食事する客と会話するなどの接客サービスを提供する。
Bエリアでは、ロボティクス事業を手掛けるカワダロボティクス(東京都台東区)が開発したロボット「NEXTAGE」とOriHimeを活用する。客はOriHimeを通して遠隔地のスタッフと会話。スタッフはそこで聞いた内容を基に、NEXTAGEを使ってオリジナルブレンドのコーヒーを作り、客に提供する。
Cエリアでは、AエリアやBエリアの様子を見ながら食事が可能という。このうちA、Bエリアは事前予約制で利用を受け付ける。店舗の隣にはロボットの研究開発室も併設。利用者のアンケートやスタッフの声を基に、OriHimeの機能改善に取り組む。
オリィ研究所は2018年から4回に渡って分身ロボットカフェDAWNを期間限定でオープン。これまでの来場者数は約5000人といい、カフェでの仕事をきっかけに就職の機会を得た障害者なども出たことから常設化を決めたとしている。
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