コロナワクチン打ちたい人と、余ったワクチンをマッチング「VAMCS」 試験運用スタート
コロナワクチンを打ちたい人と、医療施設で余ったワクチンを自動でマッチングするシステム「VAMCS」の試験運用が始まった。
新型コロナワクチンを打ちたい人と、急なキャンセルなどで余ったワクチンを自動でマッチングするシステム「VAMCS」(ヴァンクス/ワクチン余剰マッチングシステム)の試験運用が始まった。
医療系ソリューションを手掛けるアルカディアシステムズ(大阪市)が開発。大阪市や福岡市などの6つの医療施設と協力して試験した後、9月に全国展開する計画だ。「多くの医療施設に利用いただきたい」との思いから、システムの利用料金は月額2000円(税別/利用は3カ月から)に抑えた。
ワクチンを打ちたい人と医療施設がそれぞれ、簡単な登録をするだけで、余ったワクチンをマッチングするシステム。
ワクチンを打ちたい人は、5施設まで登録してキャンセル待ちできる。余剰ワクチンが発生した医療施設は、ワクチンの種類や接種日などを登録すると、キャンセル待ちの接種希望者に、URL入りのメールを自動で送信する。
その日に接種できる希望者は、受信から15分以内にURLにアクセスし、応諾を入力すると予約が完了する。システムは、希望者が応諾するまで15分ごとに次の人にメールを送っていく。
新型コロナワクチンが不足する一方で、接種予定当日に急なキャンセルが出て、医療施設でワクチンが余ってしまうこともある。ワクチンは希釈後6時間で利用できなくなるため、 無駄を防ぐには、接種希望者をすぐに確保する必要があるが、キャンセル待ちを受け付けるためには電話連絡や希望者リストの管理などが必要で、業務負荷が高いといった課題がある。VAMCSなら、そういった課題を解決できるとしている。
試験は、大阪府大阪市の「横田クリニック」、同大正区の「大正くすのきクリニック」、同吹田市の「岸辺くすのき透析クリニック」、兵庫県尼崎市の「中馬病院」、福岡県福岡市の「岡東ほばしらクリニック」「医療情報健康財団」、沖縄県宮古島市の「下地診療所」で行っている。
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