Googleマップにリアルタイムの「山火事レイヤー」などの新機能
Googleは「Googleマップ」に新たに「山火事レイヤー」をグローバルに追加する。樹木被覆図の「Tree Canopy Insights」を100以上の都市で提供する。政府などが新たな住所を作成するためのAndroidアプリもリリースした。
米Googleは9月29日(現地時間)、検索技術についてのオンラインイベント「Search On 21」を開催し、Googleマップの3つの新機能を紹介した。山火事レイヤー、「Tree Canopy Insights」(樹冠実態)、住所を作成できる「Address Maker」アプリだ。
山火事レイヤーをグローバルに展開
近年気候変動により山火事の発生が増えていることを受け、Googleマップに山火事レイヤーを追加する。レイヤー上の赤い点をタップして拡大すると、火災の規模や地域の緊急リソースへのリンクなどが表示される。
この機能はカリフォルニア州で大規模な山火事があった2019年に試験運用を開始したものだ。
衛星によって収集したデータを、Googleの地理空間分析プラットフォーム「Earth Engine」によって処理して表示する。レイヤーは約1時間ごとに更新される。
米国では全米省庁合同火災センター(NIFC)との提携により、詳細なデータを提供する。向こう数カ月をかけて、各国の当局と連携して同レベルの情報をグローバルに展開していく計画だ。
山火事レイヤーは今週からまずAndroidアプリでロールアウトし、iOSアプリとWebアプリでは10月中に利用可能になる見込み。
森林分布を視覚化する「Tree Canopy Insights」
「Tree Canopy Insights」は、直訳すると「樹冠実態」。日本では「樹木被覆図」などと呼ばれる、森林の分布を視覚的に示すもので、気候変動の目安の1つになる。
Googleは昨年から米国の15の都市のTree Canopy Insightsを提供しているが、これにグアダラハラ、ロンドン、シドニー、トロントなど世界の100以上の都市を追加する。Beta版を見たところ、日本の都市はまだ追加されていないようだ。
Tree Canopy Insightsは、航空写真とAI機能を使って、急激な気温情報リスクが高い都市の場所を特定する。Googleは地方自治体に対し、このデータを植樹などのヒートアイランド対策に活用するよう勧めている。
政府やNGOが独自の地図で住所を入力するための「Address Maker」アプリ
世界では、住所のない場所に住む人が数十億人いるという。こうした人々にとっては、銀行口座の開設や投票、荷物の配達などを行うことが困難だ。
「Address Maker」は、政府やNGOがこうした人々の住む場所に住所を提供するための使えるAndroidアプリだ。「Plus Codes」というオープンソースシステムを使って独自の地図に直接機能的なアドレスを登録できる。
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町や村全体の住所を作成するには数年かかるものだが、Address Makerを使えば数週間に短縮できるとしている。
ガンビア、ケニア、インド、南アフリカ、米国の政府とNGOは既にこのアプリを採用しているという。
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