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ニップン、前例ないサイバー攻撃で延期した1Q決算は増収増益に 影響は「引き続き調査中」
製粉大手のニップンは、2022年3月期第1四半期(4〜6月)の決算を発表。同社は7月に、グループ会社を含むサーバの大半に、サイバー攻撃を受け、バックアップを含む大量のデータが暗号化され復旧不能に。8月に発表予定だった決算を延期していた。
製粉大手のニップンは10月29日、2022年3月期第1四半期(4〜6月)の決算を発表した。同社は7月に、グループ会社を含むサーバの大半で大規模なサイバー攻撃を受け、バックアップを含む大量のデータが暗号化。外部専門家に「前例のない規模」と報告を受け、8月に発表予定だった決算を延期していた。
売上高は約779億円(前年同期比11.4%増)、営業利益は約26億円(同57.6%増)、経常利益は約38億円(同44.9%増)、四半期純利益は約26億円(同53.1%増)となり、いずれも前年比の結果を上回り、おおむね予想通りの結果だと説明した。
同社は「緊急事態宣言に伴い、外食産業は大きな影響を受けているが、前年同期と比較すると需要は回復傾向にあり、売上高は前年同期を上回った。冷凍食品類の需要は依然として高く、多数のシリーズが好調に推移し、こちらも売上高は前年同期を上回ることができた」と述べる。
7月に受けたサイバー攻撃が第2四半期以降の業績に与える影響は引き続き調査中であるが、現時点では業績予想の数値を修正する状況には至らないと見込んでいるという。予想値との差異が生じる場合は、速やかに発表するとしている。
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