昔の相棒PCを「Chrome OS Flex」で蘇生 仕事にどこまで使えるか、個人と組織視点でレビュー(1/2 ページ)
「Chrome OS Flex」で、筆者がかつて使っていた“相棒PC”をChromebook化。どこまで仕事に使えるか試してみた。
皆さんには「青春をともに過ごした思い出の品」はあるだろうか。サッカーボール、文房具、楽器など、人によってさまざまな物が挙がるだろう。筆者は学生時代に使っていたこのノートPCに思い入れがある。
ASUS製で、型番は「U24A-PX3210」。2012年発売で、OSはWindows 7だった。高校入学時にお年玉貯金で購入し、ゲームを遊んだり、課題のレポートを書いたりするのに使った記憶がある。アイティメディアに入社する前、別のWebメディアでライターをしていたときも、これで原稿を書いていた。つまりかつての“相棒PC”というわけだ。
とはいえ、Windows 7のサポートが終了したこともあって今は使っておらず、しばらくたんすの肥やしになっていた。しかし最近、東京の自宅だけでなく神奈川の実家でも作業ができる環境を整えたくなり、新しいPCを買うのもお金がかかるので、どうにか再利用できないかと考えていた。
ちょうどそのとき、古いPCをChromebook化できる「Chrome OS Flex」の早期アクセスが始まったという話題を目にした。これならサポート切れのOSを積んだPCでも気にせず再利用できる。というわけで、本記事ではかつての相棒をChromebook化し、仕事でどこまで使えるか試してみる。
そもそもChrome OS Flexって何? 導入方法は?
Chrome OS Flexは、Chrome OSのオープンソース版、Chromiumをベースに米Neverwareが開発した「CloudReady」の後継となるOSだ。Neverwareは2020年12月に米Googleに買収されているので、CloudReadyがChromeの名を冠して生まれ変わったともいえる。
インストールには8GB以上のUSBメモリが必要だ。まずChrome拡張「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を使って、このUSBメモリをブート用のメディア化する。次にこのUSBメモリを再利用したいPCに接続し、BIOS/UEFIでUSBからブートする。これでかつての相棒がChromebookとしてよみがえった。
初回はUSBからブート。PCにOSをインストールすればUSBメモリなしで起動できるようになる。2回目以降もUSBブートを続けることも可能だ。
Chrome OSベースなので、すでに使っているGoogleアカウントでログインすれば、GmailやGoogle Driveなど各種設定はそのまま引き継げる。つまりメールの送受信やスプレッドシートの編集、Googleドキュメントで共有している資料の管理・閲覧などはこのPCでこなせるわけだ。
初期設定の手間が少ないので、企業や教育現場で大量にマシンを配備する場合にも便利だろう。USBからのインストールの他に、ネットワークからの導入も可能としている。万一故障した機体が出ても、Googleアカウントさえあればすぐに復旧できる。逆に、デバイスの紛失などの際にはリモートからデータ消去も可能という。
早期アクセスとして開発が続いてるので、サポート切れしたWindows 7に比べてセキュリティ面での不安も少ない。Chrome OSと違ってAndroidアプリには対応していないが、Googleアシスタントは使える。
この記事を書いている3月9日時点では早期アクセス版のため、利用は無料。ただしブートに使うUSBメモリは、ブートファイルを書き込む際に既存のファイルが全て消えるので、試す用に1台用意した方がよさそうだ。
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