Meta(旧Facebook)は1桁増収2桁減益 メタバース収益化は長期計画とCEO
Meta(旧Facebook)の1〜3月期決算は、増収減益だった。売上高増が1桁になったのは上場以来初。FacebookのDAUは増加に転じた。
米Meta(旧Facebook)が4月27日(現地時間)に発表した2022年第1四半期(1〜3月)の決算は、売上高は前年同期比7%増の279億800万ドル、純利益は21%減の74億6500万ドル(1株当たり2ドル72セント)だった。売上高が1桁増になったのは株式公開以来初だ。これまで2桁台の増加を維持してきた広告収入が鈍化した。前四半期にはFacebookのDAU(日間アクティブユーザー数)が初めて前四半期を下回ったが、この四半期には3100万人の増加に転じた。
売上高はアナリスト予測の282億ドルに届かなかったが、1株当たり純利益は予測の2ドル56セントを上回った。
第2四半期の売上高予想は280億ドル〜300億ドルとしており、こちらもアナリスト予測の306億ドルを下回る。デビッド・ウェナーCFO(最高財務責任者)は「ウクライナでの戦争などが収益成長に与える影響が続く傾向を反映させた」と説明した。
同社は社名変更後、業績をFacebook、Instagram、WhatsApp、Messengerの「Family of Apps」と「Reality Labs」の2つのセグメント別に発表している。Reality Labsはザッカーバーグ氏が「次のコミュニケーションプラットフォーム」と呼ぶメタバース関連で、VR/AR関連のハードウェア(Meta Quest)やHorizonシリーズなどが含まれる。
純利益減は、前四半期に続き、AIなどメタバース関連への投資増の影響が大きいが、Family of Appsからの営業利益も13%減だった。マーク・ザッカーバーグCEOは、ウクライナの戦争やAppleによるiOSの変更が影響しているが、「適切なテクノロジーへの投資により、長期的には解決できる」と語った。
Family of Apps関連では動画サービスが好調だった。ザッカーバーグ氏は、(TikTokクローンの)「リール」にユーザーが費やす時間がInstagramに費やす時間全体の20%になったと語った。
Reality Labsの営業損失は62%増の29億6000万ドル。ザッカーバーグ氏はメタバースでの収益化については長い目で見ており、「(Reality Labsの)製品が実際に市場に出て規模を拡大すれば大きな収益をもたらす」が、それは2030年ごろになるとし、「その構築にはコストがかかることを認識している。これまでに構築されたことのないものなのだ」と語った。
ザッカーバーグ氏はまた、開発中のヘッドセットは「仕事での利用にフォーカスしており、最終的にはノートPCに置き換わる」と語った。同社は現在、Project Cambriaでハイエンドヘッドセットを開発中だ。
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