iPhone 14で注目集める「スマホと衛星の“直接通信”」 急速に実用化が進む背景とは(1/3 ページ)
アップルの新しい「iPhone 14」シリーズで、衛星通信に対応し緊急時のSOSを発信できる機能が備わったことが話題となったが、携帯電話業界でスマートフォンによる衛星通信はいま非常にホットなテーマとなっている。なぜスマートフォンに衛星通信が必要とされており、どのようにしてその実現を目指しているのかを、さまざまな企業の取り組みから確認してみよう。
新iPhoneで衛星通信を用いた緊急SOS発信が可能に
米国時間の2022年9月7日にアップルは新製品発表会を実施、iPhoneの新機種「iPhone 14」シリーズを発表した。その内容は既報の通りで、4モデル全てが6インチを超える大画面化が図られたほか、上位モデルの「iPhone 14 Pro」シリーズはフロントカメラ部分がノッチからパンチホールへと構造が変化。さらに新しいプロセッサ「A16 Bionic」や、iPhoneでは初となる4800万画素のカメラを搭載するなど、機能・性能面で大きな変化があったことから話題となったようだ。
だがそうした中でも、今回大きな注目を集めたのは衛星通信への対応ではないだろうか。iPhone 14シリーズは全機種に衛星と直接通信できる機能を搭載しており、それを用いて携帯電話がつながらない場所でも緊急時のSOSのメッセージを発信できる機能を搭載したのである。
衛星は地上から数千~数万kmも離れた所を飛んでおり、その電波を受信するには通常、大型のアンテナなどを用意する必要がある。だが緊急時の利用が主体であるなど機能がある程度限定されているとはいえ、その電波を通常サイズのiPhoneで直接受け、通信できるようになったことには大きな驚きがあった。
各種資料によると、アップルに衛星通信サービスを提供しているのは米国の衛星通信事業者であるGlobalstarと見られており、同社が米証券取引所に提出した文書によると、Globalstarが衛星通信で用いているバンド53/n53(2.4GHz帯)をパートナー企業であるアップルのセルラー対応デバイス(iPhone 14シリーズと見られる)に用いるとされている。実際iPhone 14シリーズの対応バンドを見ると、中国やロシア向けのモデルを除きいずれもバンド53/n53をサポートしていることから、その周波数帯を通じて衛星通信を実現しているのではないかと考えられる。
だが実は、スマートフォンで衛星と直接接続して通信する仕組みを実現しようとしている企業がここ最近急増しており、携帯電話業界でもホットなテーマの1つとなっている。実際、iPhone 14シリーズの発表直前となる2022年9月6日には、中国のファーウェイ・テクノロジーズが新スマートフォン「HUAWEI Mate50」を発表。中国向けモデルでは衛星通信によるメッセージなどの送信ができる機能の搭載を打ち出しているし、グーグルの幹部がAndroidの次のバージョンで衛星通信への対応を進めているとSNSで言及し、話題となっている。
なぜいまスマートフォンでの衛星通信が注目され、どのような取り組みが進められているのかを、これまでの動向から振り返ってみよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
5
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
6
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
9
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
10
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR