Ankerも参戦、モバイルできる「ポータブル冷蔵庫」がいま注目を集めるワケ:知らないと損!?業界最前線(3/5 ページ)
ステイホームやアウトドアブームで、近年注目を集めているのがポータブル冷蔵庫だ。もともとはアウトドア利用のニーズが高い製品だったが、リチウムイオンバッテリーの性能向上により進化。電源がない場所でも利用できるようになり、さまざまなメーカーから発売されている。
工具のバッテリーが使えて便利なモデル
AC電源やDC電源がない屋外などで使う場合、バッテリーに対応したポータブル電源が選択肢となる。現在、バッテリー駆動の製品で有力候補となるのが、工具メーカーが手掛けるポータブル冷蔵庫だ。
23年2月発売のHiKOKI(ハイコーキ)の「コードレス冷温庫 UL18DBA」は、庫内容量25Lで、同社製の工具で使える大容量バッテリーBSL36B18Xを2つ取り付けることができる。稼働時間は、庫外30度の環境で-18度で冷凍する場合、バッテリー1つで約3時間30分、2つで約7時間。また同一環境下で5度の冷蔵をした場合は、バッテリー1つでも約9時間15分稼働する。
HiKOKIは、日立工機が18年に社名を工機ホールディングスに変更した際から使われている、電動工具のブランド名称だ。
ハイコーキ「コードレス冷温庫UL18DBA」(実勢価格7万6000円・バッテリー別)。2Lペットボトルが6本、500mlペットボトルは最大25本を収納可能。USB Type-A/C端子、12V出力端子を搭載する。カラーバリエーションも豊富
本製品が面白いのは、庫内の間仕切りによって、左右で異なる温度帯で同時に利用できる点だ。設定できる温度は-18度〜60度の17段階で、最大温度差は60度まで対応。つまり、0度と60度での同時保存ができる。冷凍と冷蔵はもちろん、チルド帯(0度)と温熱帯の食材を同時にキープできるので、温蔵庫としても使えるのだ。
またマキタは、充電式保冷温庫を50Lの「CW002GZ」(実勢価格11万円)、20Lの「CW001GZ」(実勢価格5万2000円)、7Lの「CW003GZ」(実勢価格5万3000円)の3サイズを展開。最も大きな「充電式保冷温庫 CW002G」は、500mlペットボトルなら約50本収納できる。
これら製品は、同社が工具用に展開する着脱式のリチウムイオンバッテリー「40Vmaxバッテリ」や「18Vバッテリ」を利用可能。18Vの大容量バッテリー2本を使った場合、-18度で約10時間冷凍できる。またAC電源、DC電源からの充電にも対応。またUSB端子を搭載しているので、スマートフォンの充電も可能だ。
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