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インタビュー

サーバベンダーは“クラウド時代”をどう戦う レノボが見いだす現実解(2/3 ページ)

ハードウェアだけでなく、コンサルなどのサービス・ソリューションにも注力するレノボ。パブリッククラウドが主流化する時代の戦い方をキーパーソンに聞く。

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「一体的なサービス」に需要? レノボは市況をどう受け止めているか

――日本では70%以上のITエンジニアがIT企業に所属している一方、米国ではITエンジニアの約65%が非IT企業に属しているという調査結果があります。日本企業がSIerなどに頼る傾向が強いのは理解できますが、ITエンジニアを多く抱える米国の非IT企業でも、同様のニーズは高まっているのでしょうか?

ウォン 指摘の通り、クライアントのニーズには複数のタイプがあります。いずれのクライアントでもニーズは高まっていますが、それぞれニーズの中身は違うと考えています。

 例えばそもそも自社でITのスキルを持っておらず、現代のITは複雑すぎて対応できないので助けてほしいというクライアントは実際にいます。一方で、ITエンジニアのリソースはそれなりにあるものの、エンジニアをもっとビジネスに近い仕事に張り付けたいと考えているクライアントも少なくありません。

 ニーズの変化には、市場全体のトレンドも大きく影響しています。レノボのビジネスを見ても、PCは「デジタルワークソリューション」というくくりの中で使われることが多くなりました。サーバは10台に1台がハイブリッドクラウドのフレームワークの中で使われています。ハードウェアを調達するとき、廃棄やリサイクルまでを含めた、いわゆる「サステナビリティサービス」がしっかりしているベンダーを選ぼうとするクライアントも増えています。

 つまりハードウェアの調達は独立したプロセスではなく、さまざまなサービスやソリューションの一部として捉えられるようになっています。これらを一体的なサービスとして提供してほしいというニーズが高まっているのは間違いないと考えています。

――SSGの発足から2年が経過し、既存のITサービスベンダーとの関係に変化は出てきているのでしょうか。特に日本ではIT市場全体から見たITサービスベンダーの影響力が強いですが、彼らと競合する部分が出てきているのではないでしょうか?

ウォン ITサービスのビジネスは、例えばPCビジネスとは市場環境が大きく違います。PC市場はパイが大きく成長しているわけではなく、メジャーなプレイヤーも限られています。HP、デル・テクノロジーズ、そしてレノボ・グループだけといっていいでしょう。

 一方で、ITサービス市場は非常にスピーディーに成長を続けています。そして市場のプレイヤーも数えきれないほどです。

――ITサービスについては、ベンダー側のサービス供給が市場のニーズに追い付いていないと。つまり、レノボが既存のITサービスベンダーとパイを奪い合うような状況にはなっていないということでしょうか?

ウォン その通りです。そもそもレノボの戦略として、既存のITサービスベンダーと仕事を取り合うことは想定していません。われわれはレノボのコアビジネスにしっかりとひもづいたITサービスを提供しようと考えています。

 先ほどもお話ししましたが、レノボはデジタルワークプレースやハイブリッドクラウド、そしてサステナビリティサービスには特に注力しています。なぜこれらに注力しているかというと、われわれのPCやサーバが世界中で売れていて、そのアドバンテージを生かせる領域だからです。

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