ニコン「Z 8」は“今の最高峰”といっていいかもしれない:荻窪圭のデジカメレビュープラス(8/8 ページ)
ニコンから超高性能な上位機が登場した。5月26日に発売した「Z 8」だ。いざ使ってみると、想像以上に良いのである。
バッテリーの持ちは予想以上だった
最後にバッテリーの話。
Z 9は縦位置グリップ内に大きなバッテリーを積んでるので撮影可能枚数も多いが、Z 8はそれがない。使用するバッテリーはZ 6やZ 7シリーズ、D850などと同じものだ。
公称では撮影可能コマ数が約340コマ(EVFでパワーセーブONで撮影した時)とハイエンド機としては心許ない。
でもいざ使ってみると、予想以上に持つのだ。
カタログ値はCIPAによって定められた測定法によるものなので、実際には撮り方によって大きく変わる。連写での撮影が多いなら撮影可能枚数はぐっと増えるし、1枚ずつ設定を変えながらじっくり撮ったりマメに再生してチェックしてたりすると減る。
だから人それぞれなのだけど、単写と連写を半々で移動しながらあれこれ撮りまくるって感じだと、700枚は余裕で行けそうな感じで、連写メインで使うなら1000枚以上いくと思う。
カタログスペックで「バッテリーが持たなそうだ」と判断しちゃうのは早計というものだ。
カタログにも連続撮影(つまり連写)時は約2280コマと書いてあるし。
さらにUSB PD対応の電源(モバイルバッテリーを含む)をつなげば充電のみならず給電しながらの撮影もできる。
カタログスペックを見てバッテリーに不安を感じる人もいるだろうが、いざ使ってみるとそんなことなさそうだよ、という話だ。
Z 9はちょっとゴツくて望んでいたカメラじゃない、でもその高性能には心ひかれる、という人はZ 8一択といっていいかもしれない。大きさや重さのバランス、レスポンスの良さ、ブラックアウトフリーのファインダー、AFの賢さや速さ、その他の性能、画質といいったカメラとしての総合力、そしてメカシャッターレスという先進性も加味すると、現状、最高峰といっていいんじゃなかろうか。
メカシャッターじゃないと撮ってる気がしないとか、人によってはいろいろとあるだろうが、わたしはそういうこだわりがゼロなので、素直にZ 8がものすごく快適だったのである。
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