Googleの親会社Alphabetは2桁台の増収増益 クラウド鈍化も主力の広告が復調
Alphabetの7月〜9月期決算は、売上高は11%増、純利益は42%増と2桁台の増収増益だった。クラウド部門はアナリスト予測には届かなかったものの22%増だった。
Googleの持株会社である米Alphabetは10月24日(現地時間)、第3四半期(7月〜9月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は、前年同期比11%増の766億9300万ドル、純利益は42%増の196億8900万ドル(1株当たり純利益は1ドル55セント)だった。2桁台の売上高増加は4四半期ぶり。クラウド部門の売上高はアナリスト予測には届かなかったものの、増加を続けている。
売上高、1株当たり純利益ともにアナリスト予測(売上高は759億7000万ドル、1株当たり純利益は1ドル45セント)を上回った。
クラウド部門の売上高は22%増の84億1100万ドル。アナリスト予測は86億4000万ドルだった。ルース・ポラットCIO(最高投資責任者)は業績発表後の電話会見で、クラウドの成長は地域や業界を問わず堅調だが、伸び率の鈍化は「顧客の最適化への取り組みの影響を反映している」と語った。営業利益は2億6600万ドルで、3四半期連続の黒字だ。スンダー・ピチャイCEOは、Vertex AIの利用が第1四半期から7倍に増加したと語った。
主力の広告全体は9%増の596億4700万ドル。広告全体の約13%を占めるYouTube広告が2桁台の12%増と好調だった。ピチャイCEOは電話会見で、TikTok競合のYouTubeショートの1日当たりの視聴回数は700億回で、年初の500億回から伸びていると語った。
ピチャイ氏は、SGEが検索結果でより多様な情報をユーザーに提供しているが、広告は依然として重要な役割を果たしており、AIが生成する回答に取って代わられることはないと語った。
PixelやNest、Chromebookなどのハードウェア、アプリストア、広告以外のYouTubeの売上高などを含む「Google other」の売上高は21%増の83億3900万ドルだった。
Alphabetの「Other Bets」(ムーンショット部門のCalico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Xなど)の売上高は42%増の2億9700万ドル(営業損失は11億9400万ドルで、前年同期より約3100万ドル減少した)。
総従業員数は前年同期より4398人減の18万2381人。Alphabetは1月に1万2000人の人員削減を発表している。
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